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【2026年最新】タイでのロケ撮影に必要な許可・ビザ・手続きを完全解説|申請プロセスから機材通関まで

この記事でわかること

  • タイでロケ撮影するために必要な許可の全体像がわかる
  • TFO(タイ映画局)への撮影許可申請の具体的なプロセスと必要書類を把握できる
  • ビザ・労働許可(ワークパーミット)の種類と取得条件が整理できる
  • 機材持ち込み時の通関ルールと注意点を事前に確認できる
  • ドローン・ワイヤレスマイクなど撮影機材に関わる規制の概要がつかめる

読了時間:約15分

映画、CM、ドキュメンタリー、ミュージックビデオ、リアリティ番組——タイは東南アジア有数のロケ地として世界中の映像制作会社に選ばれ続けています。しかし、タイで外国人がロケ撮影を行うには、タイ映画局(TFO)の撮影許可を取得することが法律で義務付けられています

許可なしに撮影を行った場合、撮影の停止命令や機材の没収、さらには関係者の身柄拘束に至る事例も報告されています。本記事では、TFOへの申請プロセスから、ビザ・労働許可・機材通関・ドローン規制まで、タイでのロケ撮影に必要な手続きの全体像を2026年最新情報で解説します。

なお、弊社Dayzero BangkokはTFO(タイ映画局)に登録されたコーディネートライセンス保有企業です。撮影コーディネート事業も展開しておりますので、タイでの撮影をご検討の方はお問い合わせよりお気軽にご連絡ください。


タイでのロケ撮影には何が必要か——許可・ビザ・規制の全体像

対象となる撮影の種類

タイ映画映像法(Film and Video Act B.E. 2551 / 2008年)第20条に基づき、外国人がタイで撮影するすべての映像制作にはTFOの撮影許可が必要です。具体的には以下が対象となります。

広告・TVCMをはじめ、ミュージックビデオ、テレビ番組、ドキュメンタリー、PR映像、リアリティ番組、ゲームショー、テレビドラマ、ドラマシリーズ、短編映画、長編映画が対象です。

許可不要なケース

以下のケースでは、TFOの撮影許可は原則不要です。

ポイント:許可不要なケース

スチール写真の撮影のみの場合、およびタイ国内ではポストプロダクション(編集・VFX等)のサービスのみを利用し、撮影自体は行わない場合はTFO許可は不要です。ただし、スチール撮影であっても撮影場所によっては別途許可が必要な場合があります。

全体フロー:コーディネーター選定から撮影開始まで

タイでのロケ撮影に必要な手続きの全体像は、大きく5つのステップに分かれます。

ステップ内容所要期間の目安
1. コーディネーター選定TFO登録済みの現地コーディネーターを雇う
2. 撮影許可申請必要書類をTFOに提出書類準備:1〜2週間
3. 審査・承認Film, Video and Digital Media Committeeが審査3〜10営業日
4. ビザ・労働許可取得メディアビザ(Non-Immigrant M)・ワークパーミット申請並行して進行
5. 機材通関・撮影開始カルネ等で機材を持ち込み、撮影を実施撮影許可取得後

TFO(タイ映画局)への撮影許可申請プロセス

ステップ1:TFO登録済みの現地コーディネーターを雇う

外国の映像制作者がタイで撮影を希望する場合、TFOに正式登録されている現地コーディネーターを雇うことが法律上の義務です。フリーランスの個人や未登録の会社を通じた申請は受理されません。

現地コーディネーターは、外国の映像制作者の代理としてTFOへの申請書類を提出するだけでなく、撮影許可の取得、関係省庁との調整、ビザ・労働許可の手配、機材の合法的な手配まで包括的にサポートします。

TFO登録済みのコーディネーター一覧は、TFO公式サイトの「Local Coordinator」メニューから確認できます。

ステップ2:必要書類を準備する

撮影する内容によって多少異なりますが、基本的に必要な書類は以下の7項目です。

1. 現地コーディネーターから観光省局長に宛てた、撮影許可申請の目的を通知する手紙。2. 外国の映像制作者が現地コーディネーターを選定・雇用したことを示す業務委託書。3. TFO所定の応募フォーム(Application Form)4. 承認の検討に必要となるコンテンツ資料(TVCMの絵コンテ、ドキュメンタリーの内容概要、MVのコンセプトと歌詞、番組内容の詳細、台本など)。5. 撮影日程・撮影場所を明記したスケジュール表。6. 撮影スタッフ全員の名前・パスポート番号・役職・入国予定日のリスト(パスポート有効期限6ヶ月以上)。7. 撮影機材リスト。

ステップ3:Film, Video and Digital Media Committeeによる審査

書類が受理されると、TFOはFilm, Video and Digital Media Committeeに対して承認を請求します。書類に不備がある場合は修正・再提出が求められます。

承認までの所要日数

撮影の種類承認までの所要日数
TVCM、ミュージックビデオ、TV番組、PR映像、ドキュメンタリー3営業日以内
ドラマ、映画、シリーズ番組、リアリティ番組10営業日以内

ポイント:審査は承認が保証されるものではありません。タイの国家安全保障・公序良俗・環境・タイの国としての尊厳に影響を与える内容が含まれる場合、許可が下りないこともあります。

撮影許可の費用

TFOへの撮影許可申請自体に申請料はかかりません。ただし、撮影現場に派遣される監視スタッフ(Monitoring Officer)の日当として1人あたり2,000バーツ/日が必要です。監視スタッフはTFO(観光省)から派遣され、撮影が許可条件に適合しているかを確認します。

注意:許可なし撮影のリスク

タイ国内での海外メディアの撮影には、規模の大小を問わずTFOの撮影許可が必要です。許可を持たない撮影には、撮影の停止命令、悪質なケースでは機材の没収および関係者の身柄の拘束という事例も報告されています。「小規模だから大丈夫」ということはありません。

タイでのロケ撮影、許可申請からまるごとお任せください

弊社はTFO登録済みのコーディネーターです。撮影許可の取得、ビザ・労働許可の手配、撮影場所の調整まで、日本語でワンストップ対応します。

撮影コーディネートサービスの詳細 →


ビザの種類と取得条件

30日以内(ビザ免除)の場合の注意点

日本のパスポートを所有している場合、観光目的での滞在が30日以内であればビザは免除されます。ただし、撮影目的の場合は観光ではないため、臨時労働許可書(WP10)の取得が必要です。この許可申請は撮影許可申請と同時に行います。

なお、報道取材(記者証が必要)およびスチール撮影のみの場合は、臨時労働許可書は不要とされています。

Non-Immigrant M(メディアビザ)が必要なケース

以下のいずれかに該当する場合は、Non-Immigrant M(メディアビザ)の取得が必要です。

滞在期間が30日を超える場合、またはドラマ・映画の撮影を行う場合(撮影期間を問わず)はメディアビザが必要です。メディアビザの取得には、TFOが発行した撮影許可書のコピー、現地コーディネーターからの招聘状、制作会社からの経費保証書等が必要となります。

ビザの取得方法については、タイe-VISAポータルで最新の申請手続きを確認してください。

2025年以降の変更点:e-VISA導入・TDAC義務化

タイの入国関連制度は2025年に大きく変わっています。撮影クルーの渡航時にも影響する主な変更点は以下の通りです。

e-VISA導入(2025年1月〜):タイのすべてのビザ申請がオンライン化されました。大使館・総領事館への対面申請は廃止され、申請から支払いまでオンラインで完結します。

TDAC義務化(2025年5月〜):タイに入国するすべての旅行者は「タイデジタル到着カード(TDAC)」の事前登録が必須となりました。従来の紙の入国カード(TM6)に代わるもので、到着の72時間前からオンラインで申請できます。撮影クルー全員分の登録を忘れずに行ってください。

注意:TDAC未登録の場合、入国審査でトラブルになる可能性があります。渡航前に全スタッフ分の登録を完了させてください。


労働許可(ワークパーミット)の取得

15日以内の撮影:WP10(臨時業務届)で対応

タイでの撮影期間が15日を超えない場合は、WP10(臨時業務届 / トートー10)で対応できます。労働許可証(ワークパーミット)自体は不要ですが、雇用省への届出は必要です。

WP10申請に必要な書類は以下の通りです。WP10(臨時業務届)記入済みフォーム、過去6ヶ月以内に撮影された写真2枚(3×4cm)、申請者のパスポートコピー、コーディネート会社の会社登記証明書コピー、TFOが発行した撮影許可書、委任状(申請者本人が直接申請できない場合:10バーツ印紙税付き+受任者の身分証明書コピー)、コーディネーターのIDです。

15日を超える撮影:WP1(労働許可証)が必要

15日を超える撮影の場合は、WP1(労働許可証 / トートー1)の取得が必要です。現地のコーディネート会社が代理で申請を行えますが、労働許可証はタイ到着後に申請者本人が直接受け取る必要があります

WP1申請に必要な書類は、WP1記入済みフォーム、過去6ヶ月以内に撮影された写真2枚(3×4cm)、雇用証明書(雇用局所定フォーム・社印および署名付き)、観光省からの手紙(外国人の氏名・役職・パスポート番号・コーディネーターライセンス登録番号を記載)、TFOが発行した撮影許可書、委任状(申請者本人が直接申請できない場合)、医療証明書です。

申請費用

有効期間費用
3ヶ月以内750バーツ
3ヶ月超〜6ヶ月以内1,500バーツ
6ヶ月超〜1年以内3,000バーツ

延長・更新の場合も同額が適用されます。

ポイント:2023年より、バンコク市内で3日以内の撮影の場合は申請費用が不要となっています。


機材の持ち込みと通関

カルネ(ATA CARNET)による免税持ち込み

プロの撮影機材をタイに一時的に持ち込む場合、ATA CARNET(カルネ)を利用することで関税・消費税の支払いを免除できます。カルネは「機材専用のパスポート」とも呼ばれ、撮影終了後に機材を持ち出す前提で免税措置を受けられる国際的な保証制度です。

事前申請が必要な機材カテゴリー

カルネでの通関は可能ですが、以下の品目についてはタイ到着前に別途申請が必要です。

銃器・弾薬・爆発物(小道具として使用する場合も含む)、仏像・芸術品・骨董品、ラジオ受信機および通信機器、植物や植え付け材料、生きている動物や動物の製品、薬品および化学製品が該当します。

注意:ワイヤレスマイクの周波数規制

通信機器のうち、特にワイヤレスマイクは要注意です。日本で一般的に使われているB帯(806.125MHz〜809.750MHz)のワイヤレスマイクは、タイでは使用が法律で禁止されています。違反した場合は5年以下の懲役または10万バーツ以下の罰金の対象となります。詳細は下記の記事をご確認ください。

タイの周波数規制に適合した機材のレンタルについては、弊社の撮影機材レンタルサービスもご活用いただけます。


撮影場所ごとの追加許可

国立公園・歴史公園・王宮・寺院での撮影

TFOの撮影許可を取得した後、撮影場所によっては追加の許可申請が必要です。国立公園、歴史公園(スコータイ・アユタヤ等)、王宮、寺院などで撮影する場合は、TFO許可証を提示した上で、各施設の管理当局に対して別途撮影許可を申請します。

撮影場所によっては追加のロケーションフィー(撮影場所使用料)が発生する場合もあります。具体的な費用や条件は、現地コーディネーターを通じて各管理当局に事前確認することを推奨します。

ポイント:TFO許可証がないと、撮影場所の追加許可申請自体が受理されないケースがあります。正規コーディネーターを通じたTFO許可の取得が最優先です。

ドローン撮影に必要な登録と許可

タイでドローンを飛行させるには、以下の登録・許可が必要です。NBTC(国家放送通信委員会)への無線周波数登録、CAAT(タイ民間航空局)への機体登録と飛行許可取得、保険の加入、撮影地の許可取得、管轄管理局の許可取得が必要です。

ドローン規制の詳細については、下記の記事で登録方法から飛行ルールまで網羅的に解説しています。

タイでのドローン撮影をプロに任せたい場合は、弊社のドローン撮影代行サービスもご活用ください。許可申請からパイロット手配まで一括で対応しています。


税金とインセンティブ制度

タイでの所得税・法人税の基本

タイは多くの国と二重課税条約を締結しており、映像制作者がタイと自国の両方で課税されることを防ぐ仕組みがあります。タイでの課税の基本は以下の通りです。

個人所得税はタイで得た収入に対して5%〜37%の累進課税です。法人税は法人の純利益に対して20%が課されます。外国の俳優・女優はタイで得た収入に対して一律10%の優遇税率が適用されます。

キャッシュリベート制度(最大30%)

タイ政府は外国の映像制作を誘致するため、タイ国内での支出額に応じて最大30%のキャッシュリベート(現金還付)を提供するインセンティブ制度を設けています。

条件リベート率
タイ国内支出5,000万バーツ以上(基本リベート)15%
タイ国内支出1億〜1.5億バーツ追加 +5%
タイ国内支出1.5億バーツ超追加 +10%
タイ人をキーポジションに起用+特定地方で撮影追加 +5%
タイの観光・ソフトパワー・ポジティブなイメージを促進追加 +5%
指定地方での撮影追加 +3%
タイ国内でポストプロダクションを実施追加 +3%

リベートの上限は1プロダクションあたり7,500万バーツです。なお、TVCMはインセンティブ制度の対象外となっています。


よくある質問(FAQ)

YouTubeやSNS用の個人撮影でも許可が必要?

タイ映画映像法の規定上、外国人による映像撮影はTFOの撮影許可の対象です。法律の条文上は撮影の規模や配信先による免除規定はなく、個人のYouTube撮影やSNS用コンテンツの撮影であっても、厳密にはTFOの許可が必要となりえます。ただし、実態としては観光レベルの個人撮影まで取り締まられているわけではありません。商業目的や組織的な撮影の場合は許可を取得することを強く推奨します。

スチール撮影のみの場合は?

スチール写真の撮影のみの場合は、TFOの撮影許可は原則不要です。ただし、撮影場所(国立公園、寺院、政府施設等)によっては場所ごとの撮影許可が別途必要になる場合があります。

コーディネーターなしで撮影するとどうなる?

TFO登録済みのコーディネーターを介さずに撮影を行うことは法律違反です。撮影の停止命令、機材の没収、さらには関係者の身柄拘束に至る事例も報告されています。「小規模な撮影だから」「短期間だから」という理由は免責にはなりません。

許可申請は何日前までに行うべき?

書類の準備から承認まで、TVCM等で最短でも1〜2週間、ドラマ・映画では3〜4週間を見込んでおくことを推奨します。書類の不備があると修正・再提出でさらに時間がかかります。余裕を持ったスケジューリングが重要です。


渡航前チェックリスト

タイでのロケ撮影を予定している制作チームは、以下のチェックリストを渡航前に確認してください。

  • ☐ TFO登録済みの現地コーディネーターを選定・契約した
  • ☐ TFOへの撮影許可申請に必要な書類(7項目)をすべて準備した
  • ☐ Film, Video and Digital Media Committeeの承認を取得した
  • ☐ ビザの要否を確認した(30日超 or ドラマ・映画の場合はNon-Immigrant Mが必要)
  • ☐ e-VISAでのビザ申請を完了した(該当する場合)
  • ☐ TDAC(タイデジタル到着カード)の登録をスタッフ全員分完了した
  • ☐ 労働許可(WP10またはWP1)の申請手続きを進めた
  • ☐ 機材通関の手配(カルネ等)を完了した
  • ☐ ワイヤレスマイクの周波数がタイの規制に適合しているか確認した
  • ☐ ドローンを使用する場合、CAAT・NBTCへの登録を完了した
  • ☐ 撮影場所ごとの追加許可(国立公園・寺院等)を申請した

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