この記事は「【2026年最新】タイのドローン規制を完全解説|登録・許可・飛行ルールの全手順」の詳細記事です。登録手順・保険・飛行禁止エリアなど規制の全体像はそちらをご覧ください。
タイでドローンを無許可で飛ばすと、罰金だけでなく懲役刑を含む刑事罰の対象になります。「知らなかった」「旅行者だから大丈夫」は通用しません。
本記事では、実際にタイで起きた逮捕・罰金事例5つと、2026年最新の罰則一覧をまとめています。タイでドローンを飛ばす予定がある方は、必ず目を通してください。
タイのドローン違反が「犯罪」になる理由
タイではドローンは航空法の管轄下に置かれており、無許可飛行は行政処分ではなく刑事罰の対象です。罰金を払って終わりではなく、懲役刑が科される「犯罪」として扱われます。
規制を執行するのがCAAT(タイ民間航空局)で、警察と連携して取り締まりを行っています。外国人も例外なく同じ規制が適用されます。
実際に起きた逮捕・罰金事例5選
事例1|SNS投稿で発覚→290,000バーツの罰金(2017年・バンコク)
2017年8月、A氏はバンコク中心部でドローン撮影を行い、映像をFacebook等のSNSに公開しました。その投稿が発覚のきっかけとなり、同年10月にCAAT(タイ民間航空局)から突如連絡が入りました。
摘発された違反内容(5点):
- ライセンス無し
- 飛行許可無し
- 夜間飛行
- 人々が集まる都市部での飛行
- 90メートル以上の高度での飛行
当時の航空法第24条により「1区あたり4万バーツ以下の罰金」が規定されており、A氏は8つの区にまたがる飛行として各区から最大限の4万バーツが課せられました。40,000バーツ×8区=320,000バーツの計算となり、最終的には減額されて**290,000バーツ(当時レートで約90万円超)**の罰金が科されました。撮影に同席していた友人もCAATに呼び出され、2名合計で290,000バーツを支払っています。
教訓: 「その場で捕まらなければいい」は危険。SNSへの投稿から後日摘発されるケースが実際に存在します。また、複数の区にまたがって飛行した場合、区ごとに罰金が加算される可能性があります。
事例2|デモ撮影で逮捕→75,000バーツの罰金(2020年・バンコク)
2020年8月16日、デモグループ『Free People』がRatchadamnoen Avenue周辺でデモを行った際、グループのカメラマンがドローン撮影を試みました。ドローンを飛ばした直後、タイ警察がアンチドローン銃を使用してドローンを強制的に降下させました。ドローンがカメラマンの手元に戻った瞬間、その場で逮捕されています。
特筆すべきは、カメラマンはドローンのライセンスを正規に保有していたにもかかわらず、飛行許可を取得していなかったという一点のみで逮捕に至ったことです。罰金は当初10,000バーツでしたが、飛行場所が王宮に近接していたことから追加ペナルティが発生し、最終的な支払額は75,000バーツとなりました。
教訓: ライセンスがあっても飛行許可がなければ逮捕される。タイ警察はアンチドローン銃を実際に使用しています。王宮・政府施設への近接性によって罰金が大幅に加算されることがあります。
事例3|日本人旅行者が摘発→40,000バーツの罰金(2025年・バンコク)
2025年、バンコクのアソーク地区において日本人旅行者がドローンを無許可で飛行させ、摘発されました。科された罰金は40,000バーツ。観光目的で持ち込んだドローンを「少しだけ飛ばす」つもりで飛行させたところ、タイ警察に発見・摘発されたケースです。
教訓: 外国人旅行者であっても例外なく取り締まりの対象。ドローンの登録はタイ国内でのみ可能であり、「現地に着いてすぐ飛ばせる」状況にはなりません。
事例4|中国人観光客が逮捕→80,000バーツ+懲役6ヶ月執行猶予(2025年・プーケット)
2025年、プーケットのパトンビーチにおいて中国人観光客がドローンを無許可で飛行させ、逮捕されました。罰則は罰金80,000バーツ+懲役6ヶ月(執行猶予1年)。
教訓: タイのドローン規制は「罰金だけで終わる問題」ではありません。懲役刑が言い渡された(執行猶予付きとはいえ)事実は、観光客であってもタイの刑事司法手続きに巻き込まれうることを意味します。外国人として現地で刑事罰を受けた場合、帰国後にも影響が生じる可能性があります。
事例5|Remote ID未対応で摘発→30,000バーツの罰金(2026年・チェンマイ)
2026年、チェンマイにおいてRemote IDに対応していないドローンを飛行させていた操縦者が摘発され、30,000バーツの罰金が科されました。
Remote IDとは、飛行中のドローンをリアルタイムで識別するシステムで、2026年4月に完全適用が予定されています。未対応のドローンを飛行させること自体が違反となります。
教訓: 登録済みでもRemote ID未対応なら違反。日本から持ち込むドローンがRemote IDに対応しているか、渡航前にメーカーのスペック情報で必ず確認してください。Remote IDの詳細はタイのドローン規制 完全ガイドで解説しています。
違反種別ごとの罰則一覧【2026年版】
2025年10月の航空法改正により、罰則は大幅に強化されました。
| 違反内容 | 罰金 | 懲役 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 無登録での飛行 | 4万バーツ以下 | 1年以下 | または両方 |
| 飛行禁止エリアでの飛行 | 10万バーツ以下 | 2年以下 | 2026年引き上げ |
| 空港周辺9km圏内の無許可飛行 | 20万バーツ以下 | 5年以下 | 2026年引き上げ |
| プライバシー侵害(盗撮等) | 10万バーツ以下 | 3年以下 | または両方 |
| 保険未加入での飛行 | 5万バーツ以下 | 1年以下 | 2026年引き上げ |
| 飲酒・薬物影響下での飛行 | 5万バーツ以下 | 1年以下 | 2026年新設 |
| 事故報告義務違反 | 3万バーツ以下 | — | 2026年新設 |
| NBTC許可なしのドローン輸入 | 10万バーツ以下 | 5年以下 | または両方 |
| Remote ID未対応での飛行 | 3万バーツ以下 | — | 2026年4月以降完全適用 |
2026年に新設された飲酒・薬物影響下での飛行と事故報告義務違反は、タイのドローン管理が一段と厳格化していることを示しています。
旅行者が知らずにやりがちな3つの違反パターン
パターン1:「登録不要だと思い込む」
「250g未満だから登録不要でしょ」→ 飛行禁止エリアや夜間飛行のルールは250g未満でも適用されます。また、カメラ付きドローンは重量に関わらず登録が推奨されています。さらに、NBTC・CAAT登録はタイ国内でのみ手続き可能で、CAAT承認まで約15日かかります。短期旅行で合法的に飛ばすのは現実的に非常に困難です。
パターン2:「観光地でちょっとだけ」
「ビーチで1分だけ飛ばそう」→ プーケット・パトンビーチで「ちょっとだけ」飛ばした中国人観光客が懲役6ヶ月(執行猶予)を言い渡されています(事例4)。バンコクのアソーク地区で「少しだけ」のつもりだった日本人旅行者も40,000バーツの罰金です(事例3)。「ちょっとだけ」は通用しません。
パターン3:「SNSに投稿して後日バレる」
「その場で捕まらなかったから大丈夫」→ 2017年の事例では、飛行から約2ヶ月後にSNS投稿がCAATに発見され摘発されています(事例1)。罰金290,000バーツ。過去のドローン映像をSNSに投稿する際は、撮影時の許可の有無を十分に確認してください。
よくある質問
Q:SNSに投稿した過去のドローン映像が問題になることはありますか?
A:実際にあります。2017年の事例では、飛行から約2ヶ月後にSNSへの投稿がCAATに発見され摘発されています。過去に撮影した映像の公開を検討している方は、撮影時の許可の有無を十分に確認してください。
Q:タイで罰金を払った場合、日本に帰国後も前科として残りますか?
A:タイの司法手続きで有罪(罰金刑・懲役刑)となった場合、タイ国内での刑事記録が残ります。日本の刑事記録とは別のものですが、タイへの再入国審査や一部の国際的な身元調査に影響を与える可能性があります。特に懲役刑が言い渡されたケースでは、より深刻な影響が生じうるため注意が必要です。
Q:合法的にドローンを飛ばすにはどうすればいいですか?
A:NBTC登録・CAAT登録・飛行許可取得・保険加入の4ステップが必要です。詳しい手順は「タイのドローン規制 完全ガイド」で解説しています。登録手順の具体的なやり方は「NBTC・CAATオンライン登録方法」をご確認ください。
まとめ:「大丈夫だろう」が一番危険
本記事で紹介した事例をまとめます。
| 年 | 場所 | 違反内容 | 罰則 |
|---|---|---|---|
| 2017 | バンコク | 無許可飛行(SNSで発覚) | 罰金290,000バーツ |
| 2020 | バンコク | 飛行許可なし(ライセンスは保有) | 逮捕・罰金75,000バーツ |
| 2025 | バンコク | 日本人旅行者・無許可飛行 | 罰金40,000バーツ |
| 2025 | プーケット | 中国人観光客・無許可飛行 | 罰金80,000バーツ+懲役6ヶ月執行猶予 |
| 2026 | チェンマイ | Remote ID未対応 | 罰金30,000バーツ |
2025年10月の航空法改正、2026年4月のRemote ID完全適用により、タイのドローン規制は今後さらに厳格化されていきます。
タイでドローンを飛ばすすべての人に必要なのは、正しい手続きを確実に踏む「事前準備」です。規制の全体像と手続きの詳細は「タイのドローン規制 完全ガイド」をご覧ください。違反を避けるための正しい登録手順は「NBTC・CAATオンライン登録方法」で解説しています。
タイでのドローン映像制作(動画・写真)については、ぜひ弊社にお問い合わせください。弊社はCAAT登録・飛行許可取得・保険加入など、すべての法的手続きを適切に完了した状態でドローン撮影を提供しています。映像制作チームをバンコクに持ち、タイ全土77県どこへでも出張して撮影することが可能です。ドローン空撮のみならず会社紹介動画等の動画撮影も承っておりますので、映像に関することは何なりとお申し付けください。

タイで現地採用としてIT企業での営業・WEBマーケティングを数年担当。WEBマーケティングで得た経験や知識を活かしYouTubeを2017年に立ち上げ、翌年2018年にWeb広告代理店事業を設立。SEO対策、動画制作、SNSマーケティングなど幅広くWebマーケティング事業を展開。現在代表を勤める。
