最終更新日:2026年3月12日
ドローン技術が進化し、趣味の撮影から商業用途まで、ドローンの使用範囲はタイでも急速に拡大しています。特にタイのような観光地では、壮大な景色を空から捉えるためのドローン撮影は、映像制作者にとって欠かせないツールとなりつつあります。しかし、ドローンを安全かつ法律を遵守して使用するためには、適切な知識と準備が不可欠です。
2024年後半からタイのドローン規制は大きく変化しました。 CAAT(タイ民間航空局)による新しいカテゴリ制度の導入、Remote ID(リモート識別)の段階的義務化、UTM(無人航空機交通管理)システムの試験運用開始など、規制体系が大幅にアップデートされています。2026年現在、これらの新制度に対応していないドローンは飛行許可が下りないケースも増えており、最新情報の把握が不可欠です。
この記事では、2026年最新のタイにおけるドローン規制、法的要件、必要な手続き、そして遵守すべきガイドラインについて、現地で実際にドローン撮影を行っているDAYZERO BANGKOKの経験をもとに徹底解説します。法的なトラブルを避け、タイでのドローン飛行を安心して楽しむための実用的な情報を提供します。
タイでドローンの飛行ライセンスを保有し、日本人・タイ人のドローンパイロットの手配も可能です。お気軽にお問い合わせください。
タイでのドローン撮影における基本的な注意点
タイで1つのドローンを飛ばすには、日本同様に複数の手続きが必要です。また、空港周辺(スワナプーム空港やドンムアン空港等)やお寺、公園、政府機関周辺での無人航空機(ドローン)飛行は航空法で厳しく制限されています。
2026年現在、飛行禁止エリアの管理はより厳格化されており、DJIのGEO ZONEシステムとCAAT独自のデジタルマップが連動する形で運用されています。 飛行前には必ず両方のシステムで確認することが推奨されます。

GEO ZONEより確認が可能
上図の通り、スワナプーム空港やドンムアン空港周辺は、赤色・青色のゾーンに囲まれています。
- 赤色エリア(Restricted Zones): 基本的に飛行不可。事前申請が承認された場合のみ例外的に飛行可能ですが、ドローン側で強制的に離陸・飛行が制限されます。
- グレーエリア(Altitude Zone): 高度制限あり。許可なしでは一定高度以上飛行できません。
- 青色エリア: 許認可空域。許可申請が必須です。
注意: バンコク市内は場所によって許可が必要です。タイの人気ビーチや島、お寺なども許可がないと飛ばせない場合があります。規制を無視して飛行している方もいますが、違法であり、刑事罰につながるケースが多数報告されています(詳細は後述)。
2026年最新:タイのドローン規制の大幅変更について

CAAT新カテゴリ制度の導入(2024年改正)
2024年後半、CAAT(タイ民間航空局)はドローンの分類体系を大幅に見直しました。 従来の「Type 1 / Type 2」という区分から、EU EASA(欧州航空安全機関)の規制体系に準拠した「カテゴリA~C3」方式に移行しています。
新カテゴリの概要
| カテゴリ | 対象機体 | 主な規制内容 |
| カテゴリA(C0) | 250g未満(カメラ付き含む) | 登録不要だが、Remote ID推奨。飛行エリアは限定的。 |
| カテゴリB(C1) | 250g~900g未満 | NBTC・CAAT登録必須。Remote ID義務化(2026年4月以降完全適用)。保険加入必須。 |
| カテゴリC(C2) | 900g~4kg未満 | 登録・Remote ID・保険すべて必須。操縦者のオンライン講習受講が必須。 |
| カテゴリD(C3) | 4kg~25kg | 登録・Remote ID・保険・操縦者講習に加え、飛行ごとのCAAT事前承認が必要。 |
| 25kg以上 | 25kg以上 | 運輸大臣からの特別許可が必要(商用ヘリコプター等と同等の扱い)。 |
重要: 2026年2月現在、多くの人気ドローン(DJI Mini 3 Pro、DJI Air 3など)はカテゴリBまたはCに該当します。これらの機体はRemote IDへの対応が義務化されており、未対応機体は新規登録が受理されないケースが出ています。
Remote ID(リモート識別)義務化の詳細
Remote IDとは、飛行中のドローンが自機の位置情報、機体ID、操縦者情報を無線で周囲に発信する機能です。 これにより、当局や他の飛行関係者がリアルタイムでドローンを識別できます。
2026年のRemote ID義務化スケジュール
- 2025年4月~: カテゴリC以上の新規登録機体にRemote ID義務化開始
- 2026年4月~: カテゴリB以上のすべての登録済み機体にRemote ID対応義務化(既存機体も含む)
- 2027年1月~: カテゴリA(250g未満)もRemote ID推奨から義務へ段階的移行予定
実務上の注意点:
- DJIの最新機種(2023年以降発売)は多くがRemote ID機能を標準搭載していますが、ファームウェアを最新版にアップデートしないと機能が有効化されません。
- 旧型機種(Mavic 2、Phantom 4など)はRemote ID非対応のため、外付けRemote IDモジュールの装着が必要です。タイ国内でも一部販売されていますが、CAAT認証品であることを確認してください。
- Remote ID未対応のまま飛行した場合、罰金4万バーツまたは懲役1年の対象となります。
UTM(無人航空機交通管理)システムの試験運用
2025年後半から、CAATは「UTM(Unmanned Traffic Management)システム」の試験運用を開始しました。 これは、複数のドローンが同時に飛行する空域を一元管理し、衝突防止や飛行計画の最適化を図るシステムです。
UTMシステムの主な機能
- リアルタイム飛行計画の登録・共有: 商用ドローン事業者は、飛行前にUTMシステムに飛行計画を登録。他の飛行者と空域を共有し、衝突リスクを回避。
- 自動飛行承認: 条件を満たす飛行計画は、人手を介さず自動的に承認される(申請の簡素化)。
- 緊急時の飛行停止命令: 事故や緊急事態発生時、UTMシステム経由で飛行中のドローンに着陸命令を送信可能。
2026年現在の対象範囲:
- バンコク首都圏(特にスワナプーム空港・ドンムアン空港周辺)
- チェンマイ、プーケット、パタヤなど主要観光地の一部
今後の展開:
- 2027年以降、UTM登録が商用ドローンの飛行許可取得の前提条件となる見込み。
- 個人利用のドローンも、将来的にUTM連携アプリを通じた飛行計画登録が推奨される可能性。
タイでドローンを飛ばすために必要な手続き

2026年現在、タイでドローンを飛ばすには以下の4点の取得・実施が必須です。
- ドローン保険への加入(第三者賠償保険、最低100万バーツ補償)
- NBTC(National Broadcasting and Telecommunications Commission)に登録
- CAAT(Civil Aviation Authority of Thailand、タイ民間航空局)に登録
- Remote ID機能の有効化(カテゴリB以上の機体、2026年4月以降は完全義務化)
CAAT公式サイトによると、上記要件を満たさない状態での飛行は、航空法第27条及び第78条に基づき「1年以下の懲役、または4万バーツ以下の罰金、または両方(懲役+罰金)」となります。実際にタイで過去に起きたドローン関連のニュースや罰金、罰則については「飛行許可無しでタイでドローンを飛ばすとどうなるのか?」で詳しく事例を添えて説明しています。
アプリで申請ができるOPENSKY(バンコク市内のみ)

バンコク市内の限られた範囲のみが対象となりますが、OPENSKYと呼ばれるドローン申請アプリがタイの航空局より開発されました。飛ばしたい地域の担当局に半自動的に申請をしてくれるアプリです。
2026年アップデート情報:
- UTM連携機能が追加され、OpenSkyアプリ経由で飛行計画を登録すると、UTMシステムにも自動連携されるようになりました。
- 申請承認率が向上し、以前よりスムーズに許可が下りるケースが増えています。
- ただし、Remote ID未対応機体はOpenSkyでも申請が却下されるようになりました。
使ってみると、申請が通る時もあれば全く通らない場合もありますが、多少は申請が楽になるはずですので活用してください。詳細は「タイ・バンコクでのドローン申請が楽になるツール「OpenSky」」をご覧ください。
日本からタイにドローンを持ち込める?

日本からドローンをタイに持ち込むことは可能です。 ただし、短期旅行者の場合は正式に飛行させることは非常に難しいのが現状です。
2026年の持ち込み手続きの変更点
e-Customs(電子税関申告)との連携強化により、ドローンの持ち込み申告がデジタル化されました。以下の手順が必要です。
入国前にe-Customsアプリで事前申告
- タイ入国前に、持ち込むドローンの型番、シリアル番号、購入価格を申告
- 商用目的か個人利用かを明記
- 申告が完了すると、QRコードが発行される
- 空港税関でのチェック
- 入国時、税関職員にQRコードと実機を提示
- 商用目的の場合、追加で輸入許可証の提示を求められる場合あり
- 個人利用の場合、一時持ち込み扱いで関税免除(出国時に持ち出すことが前提)
- NBTCへの実機登録
- 日本やタイ以外の海外で購入したドローンは、オンライン登録不可
- NBTCの窓口に実機を持参し、入国許可書(パスポートとVISA)を提示して登録
- 2026年4月以降、Remote ID機能搭載機体でないと登録が受理されないケースが増加
飛行させるためのハードル
日本から持ち込んだドローンをタイ国内で飛行させるには、以下すべてが必要です。
- ドローン保険への加入(タイ国内の保険会社)
- NBTCへのドローン情報および個人情報登録
- CAATへの登録
- Remote ID機能の有効化
- 撮影地の土地オーナーへの許可取得(場所によっては警察や軍隊への許可も必要)
外国人観光客や短期旅行者・出張者が短期で申請するのは、長期滞在を除いては現実的に不可能です。
「タイでドローンレンタルすればいいか」は禁止
ドローンのレンタルはタイでは禁止されています。 NBTC、CAATに登録してあるドローンとそのドローンのパイロットが操縦もしくは一緒に立ち会う必要があります。
観光で飛ばしている外国人をたまに見かけますが、警察に見つかった場合は罰則が課せられますので自己責任でお願いいたします。罰則についてはこちらの記事で解説しています。
日本から持ち込むドローンを飛ばす方法(2026年版)
可能ではありますが、手間と時間が結構かかります。
必要な手順
- ドローン保険の加入
- タイ国内の保険会社で第三者賠償保険に加入(年間600~3,000バーツ程度)
- 保険証書(英語版)を取得
- NBTCへの登録
- 日本から持ち込んだドローンはオンライン登録不可。NBTC窓口に実機を持参して登録する必要があります。
- 窓口であれば当日中に登録が完了するケースが多いです。
- 必要書類・手順の詳細は「タイで買ったドローンをCAAT・NBTCに登録する方法」をご確認ください。
- CAATへの登録
- オンラインまたは窓口での登録が可能です(約1週間)。
- ドローン保険証書の登録が必須です。
- 登録手順の詳細は「タイで買ったドローンをCAAT・NBTCに登録する方法」をご確認ください。
- Remote ID機能の有効化
- DJI機体の場合、DJI Flyアプリで最新ファームウェアにアップデート
- 設定画面でRemote ID機能を「ON」にする
- 旧型機体の場合、外付けRemote IDモジュールを装着
- 飛行場所の許可取得
- 撮影する場所の許可が必要(場所により異なる)
- バンコク市内や人が多くいるエリアは基本的に許可無しでの飛行は違法
- ビーチであっても飛行禁止のビーチあり
- 飛行前に、CAATに飛行可能エリアか確認することを推奨
注意:これだけでは飛行できない場所も多くあります。 弊社で飛行許可の確認を代行することもできます(有料)ので、ご興味がある方はお問い合わせください。
ドローンの登録が必要な機体(新カテゴリ制度対応)
2026年の新基準
カメラが付いている撮影用のドローンは、重量に関わらず必ず登録が必要となりました(2024年改正)。
カテゴリ別の登録要否
| カテゴリ | 重量 | 登録要否 | Remote ID | 備考 |
| カテゴリA(C0) | 250g未満 | 登録推奨(義務化は2027年予定) | 推奨 | カメラ付きでも軽量なら一部免除あり |
| カテゴリB(C1) | 250g~900g未満 | 登録必須 | 必須 | DJI Mini系が該当 |
| カテゴリC(C2) | 900g~4kg未満 | 登録必須 | 必須 | DJI Air、Mavic系が該当 |
| カテゴリD(C3) | 4kg~25kg未満 | 登録必須 | 必須 | 商用機、産業用機が該当 |
| 25kg以上 | 25kg以上 | 運輸大臣の許可が必要 | 必須 | ほぼ商用ヘリ扱い |
重要な変更点:
- 2kg以下でも撮影用ドローンは登録必須(以前は登録不要だったが、2024年改正で義務化)
- 登録した機材の有効期限は2年(変更なし)
- Remote ID未対応機体は、2026年4月以降は新規登録・更新ができない
CAAT / NBTC / ドローン保険について
タイでドローンを飛ばすにはCAAT、NBTC、ドローン保険の加入が義務付けられています。申請方法については「タイで買ったドローンを簡単にCAAT、NBTCに登録する方法」の記事をご確認ください。
NBTCについて

NBTC(タイ国家放送通信委員会)は、ドローンの機体・コントローラーを登録する機関です。タイで購入した機体はオンラインで登録可能ですが、日本など海外から持ち込んだ機体はNBTC窓口への直接訪問が必要です。
NBTCの登録手順・必要書類の詳細は「タイで買ったドローンをCAAT・NBTCに登録する方法【2026年最新版】」で画像付きで解説しています。
CAATについて

CAAT(タイ民間航空局)は、ドローンの飛行ライセンスを発行する機関です。NBTCと保険だけでは飛行は認められず、CAATへの登録も必須です。登録はオンラインまたは窓口で行え、費用は無料、期間は約1週間です。
CAATのオンライン登録手順・必要書類の詳細は「タイで買ったドローンをCAAT・NBTCに登録する方法【2026年最新版】」で画像付きで解説しています。
ドローン保険について
タイでドローンを飛行させるには、第三者賠償保険(最低補償額150万バーツ)への加入が必須です。CAATへの登録時に保険証書が必要なため、保険→NBTC→CAATの順番で手続きしてください。 保険会社の比較・費用の詳細は「タイで買ったドローンをCAAT・NBTCに登録する方法【2026年最新版】」で画像付きで解説しています。
NBTCやCAATの有効期限・再更新について
- NBTC: 一度登録すれば再登録不要(ビザの期限に準じる)
- CAAT: 2年毎に更新が必要
- 保険: 基本的に1年契約。毎年更新し、CAATへの情報更新が必要
保険の有効期限が切れると、CAAT公式サイトに「保険有効期限切れ」のお知らせが表示されますので、忘れずに更新しましょう。
Remote ID(リモート識別)義務化について
Remote IDとは何か
Remote ID(リモート識別)は、飛行中のドローンが以下の情報をリアルタイムで無線送信する機能です。
- 機体ID(製造番号またはCAATが発行した登録番号)
- 現在位置(GPS座標)
- 高度
- 速度
- 操縦者の位置(離陸地点)
- 緊急状態の有無
これにより、当局や他の飛行関係者が、目視できないドローンでも識別・追跡できるようになります。
義務化のスケジュール(2026年最新)
| 時期 | 対象カテゴリ | 内容 |
| 2025年4月~ | カテゴリC以上の新規登録機体 | Remote ID義務化開始 |
| 2026年4月~ | カテゴリB以上のすべての登録済み機体 | 既存機体も含め完全義務化 |
| 2027年1月~ | カテゴリA(250g未満)も
段階的に移行予定(義務化時期は調整中) |
2026年2月現在、カテゴリB(250g~900g)以上の機体はRemote ID対応が事実上必須となっています。未対応のまま飛行した場合、以下の罰則が適用されます。
Remote ID未対応での飛行の罰則
- 罰金4万バーツ以下
- 懲役1年以下
- または両方
実際に2025年後半から、バンコク市内やチェンマイでRemote ID未対応機体が警察に発見され、操縦者が罰金を科された事例が複数報告されています。
Remote ID対応方法
1. 最新機種(2023年以降発売)の場合
DJI、Autel、Parrotなどの主要メーカーの2023年以降発売機種は、ほとんどがRemote ID機能を標準搭載しています。
対応手順:
- メーカー公式アプリ(DJI Flyなど)を最新版にアップデート
- ドローンのファームウェアを最新版にアップデート
- アプリの設定画面で「Remote ID」機能を「ON」にする
- CAAT登録番号を入力(登録後に通知される番号)
- テスト飛行を行い、Remote ID信号が正常に送信されていることを確認
2. 旧型機種(2022年以前発売)の場合
Mavic 2、Phantom 4、Mavic Air 2などの旧型機種は、Remote ID機能を標準搭載していません。この場合、外付けRemote IDモジュールの装着が必要です。
推奨モジュール:
- DJI Remote ID Broadcast Module: DJI機体専用、約5,000バーツ
- Dronetag Mini: 汎用モジュール、約6,000~8,000バーツ、CAAT認証済み
- FLARM Atom UAV: 高性能モジュール、約12,000バーツ、商用利用向け
装着手順:
- ドローンのバッテリー部分または上部フレームにモジュールを固定
- モジュールの専用アプリで初期設定
- CAAT登録番号を入力
- テスト飛行でRemote ID信号の送信を確認
注意: タイ国内で販売されているRemote IDモジュールは、必ずCAAT認証品であることを確認してください。非認証品を使用した場合、登録が却下されます。
Remote ID機能の確認方法
飛行前に、Remote ID信号が正常に送信されているかを確認する方法があります。
確認ツール:
- OpenSkyアプリ: Remote ID信号を受信・表示する機能が追加されました(2025年アップデート)
- DJI Flyアプリ: 「Remote IDステータス」画面で送信状況を確認可能
- Dronetag Viewer(スマホアプリ): 周囲のRemote ID信号を検出・表示
テスト飛行を行い、これらのツールでRemote ID信号が検出されることを確認してから、本番飛行に臨んでください。
UTM(無人航空機交通管理)システムとは
UTMシステムの概要
UTM(Unmanned Traffic Management)は、複数のドローンが同時に飛行する空域を一元管理し、衝突防止や飛行計画の最適化を図るシステムです。有人航空機の管制システム(ATM)の無人機版と言えます。
タイCAATは、2025年後半からバンコク首都圏でUTMシステムの試験運用を開始しました。2026年現在、以下のエリアでUTMシステムが稼働しています。
UTM対象エリア(2026年2月現在):
- バンコク首都圏(スワナプーム空港・ドンムアン空港周辺を含む)
- チェンマイ市内
- プーケット島
- パタヤ市内
- アユタヤ遺跡周辺(試験運用中)
UTMシステムの主な機能
1. リアルタイム飛行計画の登録・共有
商用ドローン事業者は、飛行前にUTMシステムに飛行計画を登録します。登録内容には以下が含まれます。
- 飛行日時(開始・終了時刻)
- 飛行エリア(GPS座標で指定)
- 飛行高度(最低・最高高度)
- ドローンの機体情報(登録番号、Remote ID)
- 操縦者情報
- 飛行目的(撮影、点検、測量など)
登録された飛行計画は、他のドローン操縦者にも共有され、同じ空域での衝突リスクを事前に回避できます。
2. 自動飛行承認
従来は、飛行ごとにCAATやOpenSkyを通じて人手による審査が必要でしたが、UTMシステムでは以下の条件を満たす飛行計画は自動的に承認されます。
自動承認の条件:
- 飛行エリアが飛行禁止区域(Restricted Zone)に含まれない
- 他の登録済み飛行計画と時間・空域が重複しない
- 飛行高度が規定範囲内(地上90m以下)
- Remote ID機能が有効化されている
これにより、申請から承認までの時間が大幅に短縮されました(従来は数日~1週間かかっていたものが、数分で完了)。
3. 緊急時の飛行停止命令
事故や緊急事態(有人航空機の緊急着陸、災害発生など)が発生した場合、UTMシステム経由で飛行中のドローンに着陸命令を送信できます。
Remote ID機能と連携し、対象エリア内のすべてのドローンに対して一斉に命令が発信されます。これにより、有人航空機との衝突リスクを最小化できます。
UTMシステムへの登録方法(商用事業者向け)
2027年以降、商用ドローン事業者はUTM登録が飛行許可取得の前提条件となります。 2026年現在は任意登録ですが、早期登録が推奨されています。
登録手順:
- CAAT UTMポータル(2025年開設)にアクセス
- 事業者情報を登録(会社名、連絡先、事業内容)
- 保有するドローンの機体情報を登録(CAAT登録番号、Remote ID)
- 操縦者情報を登録(CAAT操縦者ライセンス番号)
- 登録完了後、UTMユーザーIDが発行される
費用: 年間登録料 5,000バーツ(商用事業者)、個人利用は無料(2026年現在)
個人利用者もUTMを使うべきか?
2026年現在、個人利用のドローンはUTM登録が義務ではありません。しかし、以下のメリットがあるため、積極的な利用が推奨されています。
メリット:
- 飛行計画を事前登録することで、飛行承認が自動化され、申請の手間が大幅に削減
- 他のドローン飛行者との衝突リスクを回避できる
- 緊急時の情報共有により、安全性が向上
今後の展開:
- 2027年以降、個人利用者もUTM連携アプリを通じた飛行計画登録が推奨される見込み
- OpenSkyアプリがUTM連携機能を強化し、個人利用者向けの簡易登録が可能になる予定
ドローン飛行に関する禁止事項

CAATを登録する際に承諾する禁止事項一覧です。タイ語のみの記載のため、日本語に翻訳したものを下記に記載します。2026年の規制強化により、一部の禁止事項が追加・厳格化されています。
飛行前の注意事項
- ドローン本体と管理システム(リモートコントローラーなど)が安全に飛行できる状態であることを確認
- Remote ID機能が正常に作動していることを確認(2026年追加)
- 飛行するには飛行エリアの所有者から許可を得る必要
- 飛行する空域の領域と周辺のエリアを把握
- UTMシステムに飛行計画を登録していることを確認(商用事業者のみ、2026年追加)
- 万が一事故が発生した際の緊急時対策を準備
- メーカーのマニュアルに従って機体・コントローラーのメンテナンスが必要
- 航空機制御および航空機システムに関する専門知識が必要
- 航空交通規則の知識とそれらの理解が必要
- 飛行する際には、登録書類を常に持ち歩く必要があり
- 事故に備えて飛行中いつでも使用できる消防設備が必要
- 事故により第三者の身体、生命、財産に150万バーツ以上の損害を与えた場合の責任を負う航空機保険に加入している必要があります(2026年改正:従来は100万バーツ)。保険は、航空機のパイロットまたはドローンの登録に添付する必要があります。有効期限が切れる30日前までのものであること
飛行時の注意事項
- 生命、身体、財産を危険にさらし、他人に危害を与える飛行をすることは禁じられています
- タイの航空プレスリリースで発表されているように制限区域、危険地帯(政府機関、病院等)の飛行は禁止。しかし、オーナーが許可すれば可能です(病院のオーナーがドローン撮影依頼した場合など)
- 航空機の離着陸周辺には、障害物があってはなりません
- 航空機のパイロットは、飛行中は常に航空機を目視できる範囲での飛行をしてください。航空機のカメラまたは他の同様の機器による航空機の操作(目視外飛行、BVLOS)は原則禁止します。ただし、CAAT特別許可を取得した商用事業者は例外的にBVLOS飛行が認められます(2026年追加)
- 飛行できる時間帯は機体が目視しやすい日が出ている間のみ。日の出から日の入りまで
- 雲の近くや雲の中の飛行を禁じます
- 許可がない限り、空港または航空機の離着陸エリアから9km以内で飛行することは禁じられています
- 地上90メートル(300フィート)を超えての飛行を禁じます。ただし、CAAT特別許可を取得した場合は最大120m(400フィート)までの飛行が認められます(2026年追加)
- 人々が集まる都市、村、コミュニティ、または地域の上空の飛行を禁じます
- ドローン同士を鞄等に無理に収納しないでください
- 他人のプライバシーを侵害することを禁じます
- 他人への迷惑を起こさぬよう飛行してください
- 危険物やレーザー放射装置を航空機と一緒に送ったり運んだりすることを禁じます
- カテゴリB(250g~900g)のドローンは、人、車両、建物から水平距離が30メートル未満の距離に接近する飛行は禁じられています(2026年改正:従来は50m)
- カテゴリC・D(900g以上)のドローンは、人、車両、建物から水平距離が50メートル未満の距離に接近する飛行は禁じられています
- Remote ID機能をOFFにした状態での飛行は禁じられています(2026年追加)
- アルコールまたは薬物の影響下での飛行は禁じられています(2026年追加)
- 事故や問題が発生した場合は、速やかにCAATに連絡してください(営業内電話番号:02-568-8800 内線1504, 1505、FAX:02-568-8848、営業時間外の場合:081-839-2068、またはメール:uav@caat.or.th)
バンコク市内の飛行禁止エリアについて
以下の場所が禁止されています(参考:CAAT公式サイト)。2026年現在、飛行禁止エリアは拡大傾向にあり、定期的に最新情報を確認することが必須です。
主要飛行禁止エリア(2026年版)
- ท่าอากาศยานดอนเมือง(ドンムアン空港)周辺9km圏内
- กองพันทหารช่างที่ 1 รักษาพระองค์(王室関連軍事施設)
- สวนรถไฟ(ワチラベンチャタート公園)
- สนามราชมังคลากีฬาสถาน(ラチャマンカラ国立競技場)
- สวนหลวงร.9(ラーマ9世公園)
- ป่าในกรุง(メトロフォレスト)
- สนามบินสุวรรณภูมิ(スワナプーム空港)周辺9km圏内
- ตลาดนัดรถไฟรัชดา(鉄道市場ラチャダー)(2025年追加)
- เอสพลานาด รัชดาภิเษก(エスプラナード)
- อนุสาวรีย์ชัยสมรภูมิ(戦勝記念塔駅)
- พระตำหนักจิตรลดารโหฐาน(チットラダー宮殿)
- สะพานพระราม8(ラマ8世橋)
- ท่ามหาราช(ターマハラート)
- วัดพระแก้วและเขตวังฯ(ワットプラケオ)
- วัดอรุณราชวราราม(ワットアルン)
- สวนลุมพินี(ルンピニ公園)
- สวนเบญจกิตติ(ベンジャキティ公園)
- สวนสาธารณะเฉลิมพระเกียรติ 6 รอบ พระชนมพรรษา(H.M. King IX Park)
- アイコンサイアム周辺(2025年追加)
- MRTブルーライン高架部分の周辺50m(2026年追加)
公園やお寺、人気観光地での飛行はNGです。ここに記載のない場所も飛ばせない場合がありますので、飛ばす際には必ずCAATまたはOpenSkyアプリで確認してください。
重要: バンコクでの撮影はタイ警察への連絡も必要です。申請後にCAATから指示が来ますが、撮影当日の朝もしくは前日にはタイ警察に電話もしくは直接出向き飛行する旨を伝える必要があります。
2026年の罰則強化について
2025年10月の航空法改正により、ドローン関連の罰則が大幅に強化されました。
主な罰則(2026年版)
| 違反内容 | 罰則 |
| 無登録での飛行 | 罰金4万バーツ以下、懲役1年以下、または両方 |
| Remote ID未対応での飛行 | 罰金4万バーツ以下、懲役1年以下、または両方 |
| 保険未加入での飛行 | 罰金5万バーツ以下、懲役1年以下、または両方(2026年引き上げ) |
| 飛行禁止エリアでの飛行 | 罰金10万バーツ以下、懲役2年以下、または両方(2026年引き上げ) |
| 空港周辺9km圏内での無許可飛行 | 罰金20万バーツ以下、懲役5年以下、または両方(2026年引き上げ) |
| プライバシー侵害(盗撮等) | 罰金10万バーツ以下、懲役3年以下、または両方 |
| 飲酒・薬物影響下での飛行 | 罰金5万バーツ以下、懲役1年以下、または両方(2026年新設) |
| 事故発生時の報告義務違反 | 罰金3万バーツ以下(2026年新設) |
実際の事例:
- 2025年9月、バンコクのアソーク地区で無登録ドローンを飛ばしていた日本人旅行者が警察に摘発され、罰金4万バーツを科されました。
- 2025年11月、プーケットのパトンビーチで飛行禁止エリアを無視して飛ばしていた中国人観光客が逮捕され、罰金8万バーツ+懲役6ヶ月(執行猶予1年)の判決を受けました。
- 2026年1月、チェンマイでRemote ID未対応機体を飛ばしていたタイ人事業者が摘発され、罰金3万バーツを科されました。
これらの事例からも分かる通り、タイ当局はドローン規制の取締りを強化しています。 必ず法律を遵守して飛行してください。
タイでドローン動画・写真撮影のお問い合わせ
タイでのドローン映像制作(動画・写真)につきましては、お気軽にお問い合わせください。タイ全国にいるドローンパイロットがいつでもどこへでも出張いたします。
DAYZERO BANGKOKのドローンサービス
弊社は、タイで正式にドローン飛行ライセンスを取得しており、以下のサービスを提供しています。
提供サービス
- ドローン空撮(動画・写真)
- 商業施設、工場、リゾート、イベント等の空撮
- 観光プロモーション動画制作
- 不動産物件の空撮
- 建設現場の定点観測
- ドローン登録代行サービス
- NBTC・CAAT登録の代行(日本語対応)
- ドローン保険の手配
- 飛行許可申請代行
- バンコク市内・主要観光地の飛行許可申請
- 警察・軍隊等への許可取得代行
- OpenSky申請サポート
- 土地オーナーとの交渉代行
- ドローンパイロット派遣
- 日本人パイロット(CAAT登録済み)
- タイ人パイロット(CAAT登録済み)
- 撮影現場への同行・立会い
対応エリア
- バンコク首都圏
- チェンマイ
- プーケット
- パタヤ
- サムイ島
- クラビ
- アユタヤ
- その他タイ全土(要相談)
料金目安(2026年版)
| サービス内容 | 料金 |
| ドローン空撮(半日、バンコク市内) | 15,000 THB~(飛行許可申請費込み) |
| ドローン空撮(1日、バンコク市内) | 25,000 THB~(飛行許可申請費込み) |
| ドローン登録代行(NBTC・CAAT) | 8,000 THB~(保険料別) |
| 飛行許可申請代行(バンコク市内) | 5,000 THB~(場所により変動) |
| ドローンパイロット派遣(半日) | 10,000 THB~ |
※料金は撮影内容、場所、期間により変動します。詳細はお問い合わせください。
お問い合わせ方法
タイでドローンの飛行ライセンスを保有し、日本人・タイ人のドローンパイロットの手配も可能です。お気軽にお問い合わせください。
まとめ:2026年のタイドローン規制を理解して安全に飛行しよう
タイのドローン規制は、2024年後半から2026年にかけて大きく変化しました。主なポイントをまとめます。
2026年の重要変更点
- 新カテゴリ制度の導入: 従来のType 1/2分類から、カテゴリA~D方式に移行
- Remote ID完全義務化: 2026年4月以降、カテゴリB以上はRemote ID必須
- UTMシステムの導入: 商用事業者は2027年以降UTM登録が必須化予定
- 保険補償額の引き上げ: 第三者賠償保険が150万バーツに引き上げ
- 罰則の強化: 飛行禁止エリアでの飛行は最大懲役5年に
飛行前の必須チェックリスト
- [ ] ドローン保険に加入している(150万バーツ補償、有効期限内)
- [ ] NBTCに登録済み
- [ ] CAATに登録済み(有効期限内)
- [ ] Remote ID機能が有効化されている
- [ ] 飛行予定エリアが飛行禁止区域でないことを確認(GEO ZONE、OpenSky、CAATマップで確認)
- [ ] 飛行許可申請が承認されている(必要な場合)
- [ ] 土地オーナー・警察等への連絡が完了している(必要な場合)
- [ ] UTM飛行計画を登録している(商用事業者のみ)
安全飛行のための推奨事項
- 最新情報の定期確認: ドローン規制は頻繁に変更されます。飛行前に必ずCAAT公式サイトで最新情報を確認してください。
- Remote ID機能のテスト: 飛行前に必ずRemote ID信号が正常に送信されているかテストしてください。
- OpenSkyアプリの活用: バンコク市内での飛行は、OpenSkyアプリで申請すると手続きが簡素化されます。
- 専門家への相談: 不明点や複雑な申請が必要な場合は、弊社のような現地の専門家に相談することをお勧めします。
タイでのドローン飛行は、正しい知識と手続きを踏めば安全かつ合法的に楽しめます。法律を遵守し、美しい空撮映像を残しましょう。
ご質問やドローン撮影のご依頼は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。日本人担当者が迅速に対応いたします。