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多言語SEO実践ガイド:サイト設計・翻訳・運用の進め方

多言語SEOとは?サイト設計・翻訳・運用の進め方を解説

多言語SEOとは、日本語・タイ語・英語など、言語ごとのページを検索から見つけてもらえるように整える取り組みです。翻訳した文章だけでなく、言語別のURL、ページ同士の対応、公開後の更新まで設計します。

この記事は、既存サイトに別言語のページを追加する企業の担当者向けの実務ガイドです。「どのページを翻訳するか」が決まった後、制作担当者や翻訳担当者と何を確認し、どう管理するかを具体例で説明します。

最初に用意するのは、言語別URLの対応表、翻訳依頼書、更新履歴の3つです。これが揃うと、設定の漏れや翻訳後の情報の食い違いを確認しやすくなります。SEOの始め方やタイ語キーワードの調査から知りたい方は、タイのSEO対策の総合ガイドをご覧ください。

言語別のURLと、ページの対応関係を決める

同じ製品と会社概要を日本語版・タイ語版で対応させ、翻訳版がない採用ページは別に扱うURL設計図

まず、誰にどの言語で届けるのか、翻訳する製品・サービスはどれかを決めます。すべてのページを一度に翻訳する計画にせず、対象顧客が比較や問い合わせに使うページから範囲を絞ると、確認と更新を続けやすくなります。

既存サイトに合うURL方式を選ぶ

言語ごとに別のURLを用意するのが基本です。同じURLのままブラウザの言語やCookieだけで本文を切り替える方式とは分けて考えます。.comなどのサイトに翻訳版を追加するなら、/th/や/en/のようなサブディレクトリは選択肢の一つです。

方式と例 選ぶ前に確認すること
サブディレクトリ
example.com/th/
同じサイト内で言語版を管理できるか。CMSが言語ごとの編集・公開に対応できるか。
サブドメイン
th.example.com
言語ごとにシステムや管理権限を分ける必要があるか。設定や計測を誰が管理するか。
国別ドメイン
example.co.th など
特定の国向けに運営する目的があるか。取得条件、管理費用、更新体制を確認できるか。

国別ドメインは対象国を示す強いシグナルです。日本向けの国別ドメインと.comを同じ条件で扱い、「どのサイトも/th/を追加すればよい」とは決めません。すでに使っているURLを変える場合も、翻訳の追加とは別に移転の影響を確認します。

URL方式の根拠:Googleの多地域・多言語サイトの管理

ページ単位で、日本語版と翻訳版を対応させる

「日本語サイトとタイ語サイトがある」だけでは、個々のページの関係が曖昧です。製品Aには製品A、会社概要には会社概要というように、同じ内容の言語版を組にします。以下は架空の製造業サイトを使った記入例です。

ページ 日本語/タイ語のパス 公開・対応方針
製品A /ja/product-a/
/th/product-a/
両言語を公開。同じ製品の説明を対応させる。
会社概要 /ja/company/
/th/company/
両言語を公開。所在地・連絡先も照合する。
日本国内の採用情報 /ja/careers/
タイ語版なし
今回は翻訳対象外。タイ語トップを翻訳版として登録しない。

表のパスは短く表記していますが、実際の管理表にはドメインを含む完全なURLを残します。さらに、公開状態、翻訳担当、確認担当、原文の更新日、翻訳版の更新日を記録します。

言語切替ボタンも同じ対応表に沿って設定します。製品ページで切り替えた読者が毎回トップページへ戻ると、製品を探し直すことになります。翻訳版がないページは切替先を出さないなど、読者が行き先を誤解しない扱いを決めておきましょう。

hreflangとcanonicalを、設定例で確認する

日本語版とタイ語版をhreflangで相互参照し、canonicalはそれぞれ自身のURLを指定する図

hreflangは言語・地域版の関係を伝える指定、canonicalは重複・類似URLの正規版を伝える指定です。役割が異なるため、翻訳ページを全部日本語ページへcanonicalでまとめる設定にはしません。

日本語・タイ語の2ページを対応させる例

ここでは、製品Aの本文をそれぞれ日本語とタイ語で用意し、各URLをその言語の正規ページとして運用する例を示します。以下のコードは説明用です。example.comのまま使わず、実際の対応URLへ置き換えてください。

日本語ページ:/ja/product-a/

<link rel="canonical"
  href="https://example.com/ja/product-a/">
<link rel="alternate" hreflang="ja"
  href="https://example.com/ja/product-a/">
<link rel="alternate" hreflang="th"
  href="https://example.com/th/product-a/">

タイ語ページ:/th/product-a/

<link rel="canonical"
  href="https://example.com/th/product-a/">
<link rel="alternate" hreflang="ja"
  href="https://example.com/ja/product-a/">
<link rel="alternate" hreflang="th"
  href="https://example.com/th/product-a/">

両ページに日本語・タイ語の同じhreflang一式を入れ、canonicalだけは各ページ自身を指定しています。日本語側からタイ語側へ向けるだけでなく、タイ語側からも日本語側を参照することがポイントです。

HTMLで指定する場合は、記事本文ではなくページの<head>内へ出力します。WordPressでは多言語機能やSEO機能が自動出力していることもあるため、追加前に公開ページのソースを確認し、複数の機能から矛盾した設定が出ないようにします。

仕様と設定例の根拠:Googleの言語版の指定方法正規URLの指定方法

言語コードと、指定する方法を揃える

日本語はja、タイ語はth、英語はenです。対象国を区別する必要がある場合はen-USなどの地域指定を加えます。日本語をjpとしたり、国コードだけを言語として指定したりしないようにします。

hreflangはHTML、HTTPヘッダー、サイトマップのいずれかで伝えられます。3方式を全部入れてもGoogle検索上の利点はないため、管理できる方法を選びます。言語を選択するページなど、指定した言語に一致しない利用者の案内先がある場合は、x-defaultの使用も検討できます。

なお、hreflangを入れても本文が翻訳されるわけではありません。Googleはページ内の文章から言語を判断するため、見出しだけタイ語で本文が日本語のまま、といった状態を設定で補うことはできません。

設定ミスは、対応表と出力されたコードで照合する

確認したい状態 修正する内容
日本語側にだけタイ語URLがある 対応するタイ語ページ側にも、自身と日本語版を含むhreflangを出力する。
タイ語版のcanonicalが日本語版になっている この例ではタイ語ページ自身へ戻す。同じ言語内に重複URLがある場合は、その正規URLを先に決める。
製品ページの翻訳先がタイ語トップになっている 対応する製品ページへ直す。未翻訳なら、関係のないページを代替版として登録しない。
指定先が404や古いURLになっている 公開状態を確認し、正常に開く現在の対応URLへ揃える。言語切替リンクも同時に確認する。

制作担当者には「設定しました」だけでなく、対応表と実際に出力されたコードを一組で共有してもらいます。片方のページだけでは、相互参照や公開状態の食い違いを見落とすため、必ず組になっているページを両方確認します。

翻訳依頼書に、検索意図と確認事項をまとめる

原稿に検索語・仕様・用語・翻訳範囲を添えて翻訳を依頼し、事実と言語を確認する流れ

翻訳担当者に日本語原稿だけを渡すと、直訳してよい箇所と、現地向けに説明を補う箇所の判断が難しくなります。調査した検索語、読者が知りたいこと、変えてはいけない製品情報を一緒に渡しましょう。

製品ページの翻訳依頼書の例

次の項目を原稿に添えると、制作と確認の担当範囲を揃えられます。これも説明用の架空例であり、実際の顧客案件ではありません。

項目 記入する内容の例
対象読者・行動 タイ人の購買担当者。製品Aの仕様と対応範囲を確認し、見積もりを依頼する。
検索調査 確認済みのタイ語候補、検索結果のURL、調査日を添付する。未調査の直訳語を採用語として渡さない。
事実の根拠 承認済みの製品仕様書と版番号。対応素材・加工範囲・条件の確認先を明記する。
用語・表記 製品名、型番、単位、社名の表記を指定する。翻訳しない固有名詞も一覧にする。
翻訳する範囲 本文、タイトル、説明文、図中の文字、画像の代替テキスト、ボタン、フォームと送信後の案内。
補足と承認 現地向けに説明を足す箇所は提案として分ける。性能や対応範囲の変更は、製品担当者の確認後に反映する。

キーワードは自然な説明に使い、すべての欄へ機械的に入れません。画像の代替テキストも、画像の内容や役割に合う説明にします。説明文の書き方はメタディスクリプションの解説をご覧ください。

事実・言語・検索意図を分けて確認する

確認は次の3つに分けると、誰が何を見るのかが明確になります。一人が兼任する場合も、確認項目は分けて残します。

  • 製品・業務の担当者:仕様、料金条件、対応範囲、掲載できる事例が正しいか。
  • 翻訳・言語の担当者:意味の取り違え、不自然な表現、用語や単位の不統一がないか。
  • SEO・Webの担当者:検索者の疑問に答えているか。見出し、URL、リンク、公開設定が設計どおりか。

DAYZEROのSEO支援では、タイ人スタッフや翻訳の専門担当者が言語面を確認し、お客様には製品・業務の事実確認をお願いします。自然なタイ語かどうかと、実際に提供できる内容かどうかを、別々に確かめます。

AI翻訳を下訳に使う場合も、この確認は省略しません。「誰が確認したか」が分からないまま公開することを避け、修正理由も残して次の記事に活かします。

原文を直したら、翻訳版も更新する

原文の変更を翻訳・確認・公開へ進め、日本語版だけでなく各言語版の完了を記録する更新フロー

公開後は、原文と翻訳版の情報が食い違わないように管理します。日本語だけ仕様が新しくなり、タイ語の本文や資料が古いままだと、読者に誤った案内をすることになります。公開前に、変更を誰から誰へ伝えるかを決めておきましょう。

仕様変更があったときの進め方

たとえば、製品Aの対応素材にアルミが追加されたとします。日本語本文の一文だけを訳すのではなく、影響する情報をまとめて確認します。

  1. 変更の根拠を確定する:製品担当者が新しい仕様書を確認し、追加条件や適用時期を決めます。
  2. 影響するページを洗い出す:URL対応表からタイ語・英語版を拾い、比較表、PDF、FAQ、問い合わせフォームにも古い条件が残っていないか確認します。
  3. 翻訳・確認を依頼する:変更箇所と根拠資料を渡し、言語担当者が修正します。事実確認が必要な箇所は製品担当者へ戻します。
  4. 公開後に組で照合する:原文と翻訳版を開き、仕様、資料リンク、言語切替先が一致するか確認します。
  5. 完了を記録する:各言語の反映日、確認者、残っている作業を更新履歴へ記入します。

翻訳を待つ間に古い情報を出し続けてよいかは、内容によって判断します。特に価格や提供可否など、誤案内につながる変更は優先して対応し、必要な暫定案内を担当者と決めます。

更新履歴は、未対応の言語が分かる形にする

記録する項目は「対象ページ」「変更内容と根拠」「原文の反映日」「各言語の対応状況」「担当者」「確認期限」「公開後の確認結果」です。状態は、未着手・翻訳中・事実確認待ち・公開待ち・確認済みなどに揃えます。

以下は、製品Aへの対応素材の追加を記録した架空の例です。上のURL対応表と同じ製品を扱っています。

対象ページ 対応状況 担当者と次の対応
日本語版
/ja/product-a/
公開・確認済み 製品担当者が、承認した仕様書との一致を確認。反映日と確認日を記録する。
タイ語版
/th/product-a/
事実確認待ち 翻訳担当者が追加素材の適用条件を照会。製品担当者の回答後に原稿を確定し、公開担当者が反映・確認する。

この記録には、共通の変更内容として「対応素材にアルミを追加」、根拠として承認済み仕様書の保存先と版番号を添えます。原文の反映日と各言語の確認期限には実際の日付を入れ、回答待ちの場合も、誰がいつまでに返すかを残します。

一つの案件を「完了」とまとめるだけでは、英語は済んでいてもタイ語が残っている状態を見分けられません。言語別に完了を確認してから、対応表と更新履歴を閉じる運用にします。

公開前に、言語切替と問い合わせを確認する

言語切替から内容確認、フォーム入力、送信完了までをPCとスマートフォンで確認する図

文章と設定の確認が済んだら、読者と同じ順序で操作します。日本語版から翻訳版へ切り替え、必要な情報を読み、資料や問い合わせ先へ進めるかを、PCとスマートフォンで確認してください。

翻訳が抜けやすい場所を確認する

  • 言語切替:同じ内容のページへ移動できるか。選んだ言語から強制的に戻されないか。
  • 説明の続き:図中の文字、仕様表、ダウンロード資料、リンク先が想定した言語か。
  • 問い合わせ:入力欄、必須項目、エラー表示、送信完了画面まで理解できるか。
  • 社内対応:その言語の相談を誰が受け取り、回答するかが決まっているか。

フォームは担当者と調整してテストし、通知が届くところまで確認します。画像や本文を確認しただけで、問い合わせも動いているとは判断しません。また、利用者の地域・言語を推測した強制転送には頼らず、読者が言語を選べる導線を用意します。

DAYZEROの自社運用では、タイ人向けページの主な相談先にLINEを使っています。これは自社で届いた問い合わせを踏まえた選択であり、すべての企業に同じ方法を勧めるものではありません。自社運用で分かった問い合わせ導線の違いも参考に、顧客が使いやすく、社内で回答できる連絡方法を選んでください。

制作担当者から受け取る確認結果

技術面では、URL対応表の各ページが正常に開くこと、公開ページに意図しないアクセス制限やnoindexがないこと、canonicalとhreflangが設計どおりであることを確認します。サイトマップや内部リンクにも古いURLを残さないようにします。

納品時には、設定画面のスクリーンショットだけでなく、対象URL、確認日、出力内容、未解決項目を受け取ってください。クロールやインデックスの基本的な確認方法は、総合ガイドのクロールとインデックスの項目で説明しています。

公開後は、言語別に表示URLと相談内容を確認する

日本語版とタイ語版を分けて、検索語・表示URL・実際の問い合わせを確認する測定の流れ

サイト全体のアクセスだけでは、どの言語版に問題があるか分かりません。/th/や/en/などのURL群、または対応表でまとめたURLを単位に、公開前後の変化を見ます。

違う言語のURLが出るときの確認手順

Search Consoleで検索語と表示されたページを組み合わせて確認します。国だけでは検索者の言語は決まらないため、「タイから表示されたからタイ語版の成果」とは集計しません。対象URL、検索語、国、端末、期間を区別して比較します。

想定外のURLが出ていたら、まず目的の言語版が公開され、検索に登録されているかを確認します。そのうえで本文の言語、検索意図への回答、canonical、hreflang、内部リンクを順に点検します。URLが違うという理由だけでページを削除したり、別言語へリダイレクトしたりする必要はありません。

指標・絞り込みの根拠:Search Consoleの検索パフォーマンス

言語別に、相談へ進めているかを見る

検索から訪れた人が製品・サービスを読み、料金や問い合わせへ進めているかを確認します。フォームに進んでも送信されない場合は、その言語の入力案内やエラー表示も見直す候補です。実際に届いた相談の言語と内容も、改善判断に使います。

ボタンのクリックと送信完了、実際の問い合わせは別の指標です。計測の基本はSEOの効果測定と改善判断へ、タイ語ページで行った調査・改善の工程と数値はDAYZEROのタイ語SEO改善事例へまとめています。

多言語SEOの設計・運用でよくある質問

多言語SEOで迷いやすい翻訳版の指定・言語切替先・外注範囲の3つを整理した図

翻訳していないページにもhreflangは必要ですか?

存在しない翻訳版を指定する必要はありません。この記事の製品ページ例なら、対応する言語版を公開してから、その組のhreflangを設定します。タイ語トップなど、違う内容のページを代わりに指定しないでください。

言語切替の行き先は、トップページでよいですか?

同じ内容の翻訳版があるなら、そのページへ直接案内する設計を勧めます。翻訳版がない場合に別の案内先を用意するなら、リンク文言で行き先を明示します。読者向けの案内と、同じ内容の言語版を示すhreflangは分けて管理します。

hreflangで順位は上がりますか?

順位を保証する設定ではありません。言語・地域版の関係を伝えるために使います。検索者の疑問に答える本文、正確な製品情報、読みやすさや相談への案内も必要です。

外注する場合、何を依頼すればよいですか?

翻訳だけなのか、検索調査、URL設計、設定の実装、公開後の更新まで依頼するのかを分けます。特に更新時の費用・対応量・確認担当を先に決めると、公開後に翻訳版だけが古くなる状態を防ぎやすくなります。

多言語サイトの設計・更新をご相談ください

既存サイトと対応したい言語をもとに、調査・制作・実装のどこから進めるかを整理します。支援範囲と料金はSEOサービスページで確認できます。

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