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タイの飲酒年齢・お酒のルールまとめ|何歳から?販売時間・罰則まで解説

この記事でわかること(読了時間:約10分)

  • タイではアルコール規制法第32条により、SNSにお酒の写真を投稿するだけで最大50万バーツ(約200万円)の罰金・懲役1年のリスクがある
  • 2020年に一般市民のクラフトビールレビュー投稿が摘発され、懲役6ヶ月(執行猶予)+罰金15万バーツの判決が下された
  • 2025年11月施行の内務省公示第487号でSNS上の宣伝的投稿への取り締まりが強化された一方、14時〜17時の販売禁止時間が180日間限定で緩和中
  • タイのアルコール販売時間は11時〜14時・17時〜24時、飲酒年齢は20歳以上、仏教祝日・選挙日は全面販売禁止
  • 旅行者・在住者・インフルエンサー別に、どの投稿がOKでどの投稿がNGかをシーン別判定表で解説

2015年に大きな話題となったタイでのアルコール飲料の広告事件。タイの3ビッグブランドの1つBeer Changがステルスマーケティング手法を使い、有名人やインフルエンサーがSNSにビールのロゴ入り画像・動画を投稿したことで社会問題化しました。

しかしこの問題は過去の話ではありません。2020年には一般市民のFacebook投稿が摘発され、2025年11月には規制がさらに強化されました。タイでは旅行者であっても例外ではなく、SNSにお酒の写真を投稿するだけで最大50万バーツ(約200万円)の罰金リスクがあるというのが現実です。

タイでSNS発信を行う企業・個人インフルエンサー・旅行者を問わず、この記事を読んで正確なルールを把握してください。

タイのSNS環境の全体像については、以下の記事も参考にしてください。

タイのアルコール規制法とは(第32条・第43条)

法律の正式名称と制定背景

タイのアルコール規制の根拠となる法律は「仏暦2551年酒類管理法(Alcoholic Beverage Control Act B.E. 2551)」で、2008年に制定されました。仏教的価値観と公衆衛生の観点から、アルコールの広告・販売・消費を幅広く規制することを目的としています。

第32条の内容(SNS投稿との関係で最重要)

同法第32条が、SNS投稿との関係で最も重要な条文です。その内容を要約すると以下のようになります。

規制対象内容
アルコール飲料の広告・CM違法行為
パッケージやロゴが視認できる画像・映像の公開違法行為
他者にアルコールの購入・消費を促す内容直接的・間接的を問わず違法行為
ブランドオーナーによる文字情報・ロゴの提供条件付きで可能(商品パッケージ写真は不可)

「広告」の定義(第3条)

同法第3条は「広告」を「商業目的で行われるもの」と定義しています。この「商業目的」の線引きが、個人のSNS投稿をどこまで規制するかという議論の核心となっています。

罰則(第43条)

注意:第43条に基づく罰則

罰則の種類 内容
罰金(上限) 50万バーツ(約200万円)
懲役(上限) 1年
違反継続に対する追加罰金 1日あたり5万バーツ

投稿された時期が過去のものであっても、写真にアルコール飲料が含まれているかぎり当局はいつでも摘発できる仕組みです。

出典:Alcoholic Beverage Control Act B.E. 2551(仏暦2551年酒類管理法)第32条・第43条

実際の摘発事例(2015年〜2020年)

2015年:アジアティーク内レストランのメニュー掲載違反

バンコクの有名観光スポットアジアティーク(Asiatique The Riverfront)内にあるレストランが、メニューにアルコール飲料の写真を掲載していたことが問題となり、罰金46万バーツを課せられました。違反期間が220日に及んだため、1日あたり5万バーツの追加罰金が積み重なった結果です。

メニューへの掲載という極めて日常的な行為でも、法律の対象になり得ることを示した事例です。

2015年:Beer Changのインフルエンサー騒動

タイの大手ビールブランドBeer Changがステルスマーケティング手法を活用し、有名人やインフルエンサーにビールのロゴ入り画像・動画をSNSに投稿させた事件です。これがタイ国内でアルコール飲料のSNS投稿規制への意識が一気に高まるきっかけとなりました。

2020年6月:クラフトビール愛好家の摘発

2020年6月、クラフトビール愛好家のArtid Sivahansaphan氏がFacebookにクラフトビールのレビュー投稿をしたことで摘発されました。この事件で注目すべきは、氏が一般市民のビール愛好家であり、インフルエンサーや企業担当者ではなかったという点です。

最終的な判決は懲役6ヶ月(執行猶予)+罰金15万バーツでした。「一般人のSNS投稿も対象になるのか」とタイ国内外で大きな議論が巻き起こりました。

2020年6月12日:保健省疾病管理局の公式見解

騒動を受け、タイ保健省疾病管理局(Department of Disease Control)は2020年6月12日に公式見解を発表しました。その内容は「法律が規制するのは商業目的の広告・宣伝行為であり、純粋に個人的な日常投稿は対象外である」というものでした。

ポイント:ただしこの見解はあくまで行政機関の解釈であり、法律そのものの改正ではありません。「商業目的かどうか」の最終判断は当局や裁判所に委ねられるため、完全に安心できるわけではない点に注意が必要です。

2025年の最新規制動向

2025年11月8日施行:内務省公示第487号

2025年11月8日に施行された内務省公示第487号により、タイのアルコール規制は包括的に強化されました。

規制項目内容
広告・SNS規制の強化商業目的の広告に加え、SNS上での宣伝的投稿への取り締まり強化が明示された
販売時間制限販売禁止時間:0時〜11時、14時〜17時(変更なし)
公共の場での飲酒禁止指定された公共エリアでの飲酒に対する取り締まりが強化
電子的手段による販売禁止Grab Foodなどのフードデリバリーアプリを通じたアルコール販売が禁止(2020年12月施行の告示が継続適用)
特定日の販売禁止(禁酒日)マカブーチャ、アサラハブーチャ等の仏教祝日、および選挙前日・当日

2025年12月2日:販売禁止時間の緩和告示(180日間限定)

一方で、2025年12月2日には酒類販売禁止時間の一部緩和に関する告示が官報に掲載されました。観光業への配慮と経済的影響を考慮したものとみられます。

ポイント:これまで販売禁止だった14時〜17時の時間帯が、180日間限定で販売可能となりました。ただし恒久的な改正ではなく期間限定の措置であるため、最新の状況を随時確認することを推奨します。

出典:内務省公示第487号(2025年11月8日施行)/ 官報掲載の販売時間緩和告示(2025年12月2日)

シーン別OK/NG判定表:この投稿は違法?

2020年の疾病管理局見解と2025年の規制強化を踏まえた、実践的な判断基準をシーン別に整理します。

シーン判定理由・補足
旅行中の食事写真にビールが少し映り込んでいるグレーゾーン疾病管理局の見解では個人投稿は対象外とされるが、絶対安全とは言い切れない
ロゴやパッケージが明確に写ったビール写真を個人アカウントに投稿するリスクあり第32条の文言上は違反に該当しうる。摘発事例もある
「このビールは最高!みんな飲んでみて!」のような購買促進的な文章を添えるNG他者の購買を促す内容は直接的に第32条違反に該当する
レストランやバーがメニューにアルコール写真を掲載するNG2015年のアジアティーク事例で実際に46万バーツの罰金
インフルエンサーが企業から報酬を受けてアルコール投稿を行うNG(厳格)商業目的が明確なため第32条の核心的な違反に該当する
アルコールのブランド名・ロゴをテキストのみで言及する条件付きOK法律上はオーナーによる文字・ロゴ情報の提供は可能。ただし商品写真は不可
クラフトビールに関するレビューをブログ・SNSに書くリスクありArtid氏の事例が示すように、個人のレビューでも摘発リスクがある
空港免税エリア・ホテルバー内でのお酒の写真を投稿するグレーゾーン販売規制の例外エリアだが、SNS投稿規制は場所に関係なく適用されうる

注意:上記の判定はあくまで現行法と行政見解に基づく目安です。「商業目的かどうか」の最終判断は当局・裁判所に委ねられます。特に外国人が摘発された場合はビザや在留資格にも影響しうるため、迷ったら投稿しないのが最も確実な対策です。

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旅行者・在住者が知っておくべきお酒の基本ルール

販売時間の制限

タイではお酒の購入・販売に厳格な時間制限があります。販売可能な時間帯は11時〜14時および17時〜24時です。それ以外の時間帯ではコンビニやスーパーのレジのPOSシステムでアルコールは自動的に弾かれるため、店員が気を利かせて売ってくれることはありません。笑顔でやんわりと断られます。

なお前述のとおり、2025年12月2日の告示により14時〜17時の販売禁止は180日間限定で緩和中です。ただし期間限定の措置であるため注意が必要です。

年齢制限

タイでのアルコール購入は20歳以上のみ許可されています。日本の「18歳成人・20歳飲酒可」と同じ年齢ですが、タイではパスポート等の身分証明書の提示を求められることがあります。

禁酒日

以下の日はアルコールの販売が全面的に禁止されます。

禁酒日の種類代表的な日
仏教祝日(ワンプラ)マカブーチャ(万仏節)、アサラハブーチャ(三宝節)、ウィサーカブーチャ(仏誕節)など
選挙関連選挙前日および当日

販売が禁止されているのはあくまで「販売」であり、自宅等で事前に購入していたお酒を飲むこと自体は違法ではありません。

例外エリア(販売時間制限の適用外)

以下のエリアは酒類販売規制の例外として認められています。

例外エリア備考
スワンナプーム国際空港をはじめとする国際線空港内施設免税店・飲食店が対象
ホテル内のバー・レストラン宿泊施設内に限定
風俗営業法対象施設ナイトクラブ・バー等

注意:これらのエリアは販売時間制限の例外ですが、SNS投稿規制は場所に関係なく適用されます。空港やホテルバーで撮ったアルコール写真であっても、SNSに投稿する際のリスクは変わりません。

旅行者・在住者・インフルエンサー別の注意点

旅行者の方へ

タイ旅行中に屋台ビールやカフェでのカクテルを友人にシェアしたくなる気持ちは当然ですが、以下の点に気をつけてください。

行動リスクレベル
食事写真にビールが映り込む程度現実的なリスクは低い(ただし絶対安全ではない)
ロゴやパッケージを強調したアップ写真リスクあり
「このビール最高!飲むべし!」のような購買促進キャプション明確にNG

なお、タイへの免税持ち込み上限は1人1リットルです。帰国時のお土産購入時にも注意してください。

駐在員・在住者の方へ

日本語圏のフォロワーを多く持つ在タイ日系ブロガーや駐在員の方は、個人の発信であっても影響力の大きさによって「商業目的」と判断されるリスクがあります。特にアフィリエイトリンクや企業案件が絡む投稿は慎重に取り扱ってください。

SNS発信者・インフルエンサーの方へ

タイに進出している日系の居酒屋や飲食店のSNS担当者、あるいはタイをベースに活動するインフルエンサーの方は特に注意が必要です。アルコール関連の投稿依頼を受ける際は、商業目的であることが明確なため第32条の核心的な違反に直結します。

「タイなので実際の運用は緩い」という側面があることも事実です。しかし、法律に違反するリスクを認識した上で判断することを強くすすめます。特に外国人が摘発された場合はビザや在留資格にも影響しうるため、日本国内でのリスク認識以上に慎重な姿勢が求められます。

ポイント:タイでのインフルエンサーマーケティングの費用相場やジャンル別の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。アルコール以外のジャンルであれば、インフルエンサー活用はタイ市場で非常に有効な施策です。

タイ国内の世論と今後の見通し

2020年のArtid氏摘発事件以降、タイ国内のFacebook・Pantipといったプラットフォームでは「一般人の投稿まで取り締まるのは行き過ぎだ」という批判的な意見が噴出しました。一方で、タイの仏教団体や保守的な世論は「法律の趣旨を守るべきだ」と支持する立場も根強く存在しています。

2025年の規制強化については、観光業界から「外国人旅行者のSNS投稿まで取り締まるのは観光立国としての評判を損なう」という懸念の声が上がっています。2025年12月の14時〜17時の販売時間緩和告示は、こうした観光業界への配慮が反映されたものとみられています。

今後もタイ政府は「仏教的価値観に基づく規制の維持」と「観光業の経済的利益」のバランスを模索していくことになるでしょう。法律の大枠が変わる可能性は低いものの、運用面での柔軟化が進む方向にあるのが現時点での趨勢です。

タイの広告規制全般やデジタルマーケティング環境については、以下の記事も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. タイ旅行中にビールの写真をInstagramに投稿したら本当に罰金を取られますか?

個人の日常的な旅行記録の一部として投稿する分には、2020年の保健省疾病管理局の見解によれば対象外とされています。ただし、ロゴが大きく映った宣伝的な構図や「みんなにすすめる」というキャプションは規制に抵触する可能性があります。絶対安全という保証はなく、特に影響力の大きいアカウントはより慎重であるべきです。

Q. 罰金はどのくらいですか?

第43条に基づき最大50万バーツ(約200万円)の罰金と最大懲役1年が定められています。さらに違反状態が継続する場合は1日あたり5万バーツの追加罰金が加算されます。

Q. タイのビールブランドのロゴをSNSに載せるだけでもNGですか?

商品パッケージの写真掲載は違法とされています。一方、テキストでのブランド名やロゴの言及は条件付きで可能とされています。ただし解釈の余地があるため、実務上はグレーゾーンです。

Q. 2025年の法改正で何が変わりましたか?

2025年11月8日施行の内務省公示第487号により規制が全体的に強化されました。一方で12月2日には14時〜17時の販売禁止時間帯が180日間限定で緩和されています。SNS投稿規制の基本的な枠組みは第32条に基づいたまま継続しています。

Q. タイのコンビニでお酒を買えない時間帯はいつですか?

0時〜11時および14時〜17時が販売禁止です。ただし14時〜17時については2025年12月2日の告示により180日間限定で緩和されています。

Q. 禁酒日はいつですか?

マカブーチャ(万仏節)、アサラハブーチャ(三宝節)、ウィサーカブーチャ(仏誕節)などの仏教祝日、および選挙前日・当日がアルコール販売全面禁止日です。

免責事項:本記事は2026年3月時点の情報に基づいています。タイの法改正や当局の運用方針の変更により内容が変わる可能性があります。具体的なケースについては在タイ日本国大使館や現地の法律専門家にご相談ください。

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