この記事でわかること
- タイで活躍する日本人インフルエンサー13名のフォロワー数・ジャンル・ターゲット層の具体的なデータ(2025年最新版)
- FacebookフォロワーはBeam Senseiが約140万人・I love Japanが62万人など、タイ市場でFacebookが依然として主要プラットフォームである理由
- TikTokフォロワー170万人のAKIKOや140万人のRyota Moistureをはじめとする、若年タイ人へのリーチに有効なインフルエンサーの見分け方
- 訪日観光PR・日本製品認知・グルメPR・日本語学習サービスなど目的別に最適なインフルエンサーを選ぶための具体的な判断基準
- ぷくこが一投稿でスーパーの商品を売り切れにさせた事例など、エンゲージメントの質がフォロワー数より重要である理由
タイで活躍する日本人インフルエンサーを知りたい、マーケティングに活用したい、あるいは自分も発信者として活動したいと考えているなら、この記事で必要な情報はすべて揃います。2025年最新のフォロワー数データ・成功事例・マーケティング活用法・注意すべきリスクまで、バンコクを拠点とするSEOコンサルタントの視点から網羅的に解説します。
タイにおけるSNS・インフルエンサー市場の現状
タイはSNS大国。その規模と特徴を知ることが戦略の起点
タイはスマートフォン普及率が95%を超え、国民のほぼ全員がモバイルでインターネットにアクセスする環境が整っています。この数字はASEAN諸国の中でもトップクラスであり、SNSを通じた情報消費が日常生活に完全に溶け込んでいます。
2024年のタイのインフルエンサーマーケティング市場規模は約6,878万USD(日本円換算で約103億円)に達しており、企業がインフルエンサーを通じた広告・PR活動に積極的に投資していることを示しています。この数値は前年比でも右肩上がりで推移しており、今後も成長が見込まれる市場です。
プラットフォーム別の特徴:日本とは異なるSNS文化
タイのSNS市場は日本と異なる独自の構造を持っています。プラットフォームごとの特徴を正確に把握することが、インフルエンサー活用戦略の前提条件になります。
Facebook:タイでは依然として最強のプラットフォームです。日本ではFacebookの利用者が減少傾向にありますが、タイでは全世代で活用されており、ビジネス・個人問わず情報発信の中心地です。後述する多くの日本人インフルエンサーが最も多くのフォロワーをFacebookで抱えている理由がここにあります。
YouTube:長尺動画の視聴に親しんでいるタイ人ユーザーが多く、チャンネル登録者数100万人超のクリエイターも珍しくありません。タイ語で日本を紹介するYouTuberの競合として、zommarie(登録者335万人・総再生8億回超)やsoftpomz(登録者347万人)のような超大手も存在します。
TikTok:若年層を中心に急速に普及。単なるエンタメプラットフォームにとどまらず、現在はTikTok Shopを通じたライブコマースが急成長中です。TikTokはタイでの検索ツールとして機能し始めており、「タイ旅行 おすすめ」といった検索をTikTok内で行うユーザーが増えています。
Instagram:ビジュアル訴求が強いジャンル(グルメ・旅行・コスメ・ライフスタイル)で有効。タイのInstagramユーザーはリール動画の消費率が高く、写真のみのフィードより動画コンテンツのほうがリーチが伸びやすい傾向にあります。
X(旧Twitter):タイでの利用率は他のプラットフォームと比べると限定的ですが、特定のファンコミュニティ(K-POP・アニメ・日本文化)では活発です。
タイのKOL文化とは何か
タイでは「KOL(Key Opinion Leader)」という概念がインフルエンサーマーケティングの中心にあります。単純なフォロワー数の多さではなく、「この人が言うなら信頼できる」という信頼関係を築いた発信者が購買行動に強い影響を与えます。タイ広告協会副事務局長のPoiluang Konsongsaen氏(The Platform Group CEO)も、エンゲージメントと信頼性の重要性を繰り返し強調しています。タイ市場では「誰が語るか」が購買決定に直結する構造が特に顕著です。
タイで活躍する日本人インフルエンサー一覧【2025年最新】
タイ人向けに日本情報を発信する日本人インフルエンサー
タイ語で日本の文化・旅行・グルメ・日常を発信し、タイ人ユーザーを主なターゲットとしているインフルエンサーです。訪日タイ人旅行者の増加を背景に、このカテゴリは特に成長しています。
佐野ひろ(Wabisabi TV)
タイでの日本人男性インフルエンサーとして最も認知度が高い存在。YouTubeチャンネル登録者は約89〜90万人に達しており、タイの国営・民営メディアでも取り上げられています。タイ向け日本観光番組「SUGOI JAPAN」にも出演経験があり、タレント的な知名度を持つのが特徴です。Facebookは27万人、Instagramは5万人、TikTokは7万人のフォロワーを抱えています。
Beam Sensei
YouTube登録者数約76〜113万人、Facebookフォロワー約140万人という圧倒的な規模を誇る日本特化コンテンツのパイオニア。YouTube活動歴は17年に及び、累計動画投稿数は1,061本、総再生回数は4.2億回を超えています。日本語学習コンテンツから始まり、日本文化・旅行・グルメへと守備範囲を拡大してきた先駆者であり、タイ人向け日本情報発信者の中では別格の存在感です。
井坂友哉(ボクのタイ語日記)
手書きのタイ語日記をSNSで発信するという独自スタイルで爆発的に成長した日本人インフルエンサー。2019年4月8日の初投稿がわずか数日で5,858シェア・1,881コメントを獲得。Facebook開設からわずか4ヶ月で10万フォロワーを達成するという驚異的な成長速度を記録しました。渋谷でのフリーハグ投稿は60,000を超えるリツイートを獲得し、Beam Senseiにシェアされたことがさらなる拡散の起点になりました。2020年12月にタイへ渡航、2021年1月より現地活動を本格化。Twitterでも5.2万人のフォロワーを持ちます。
Kenji Mango
YouTube登録者8万人、Facebook40万人、Instagram3.6万人、TikTok28万人、Twitter4万人というマルチプラットフォーム展開が強み。もともとは「I love Japan」の日本語講師としてキャリアをスタートし、現在は独立して個人チャンネルを運営しています。タイ語の堪能さを活かしたタイ人目線のコンテンツが支持される理由です。
I love Japan(マイ先生)
YouTube28万人、Facebook62万人、Instagram3万人のフォロワーを持ち、日本語教育事業も並行して展開しているインフルエンサー。教育的なコンテンツと旅行・文化情報を組み合わせた発信スタイルで、学習意欲の高いタイ人ユーザーから特に支持されています。「私の日本」コンテストとの連携なども行っており、タイの日本語学習コミュニティへの影響力は大きいです。
kinyuud
日タイ夫婦が共同運営するアカウントで、YouTube12.2万人、Facebook37万人というフォロワーを持ち、SNS総フォロワーは約50万人に達しています。一般的な有名観光スポットではなく、穴場グルメや地元民が通うローカル飲食店の紹介に特化したコンテンツが差別化ポイント。日タイ夫婦という属性自体がコンテンツとなっており、国際カップル・ファミリー層からの共感も得ています。Instagramは8,300人と他プラットフォームより少なめですが、FacebookとYouTubeでの影響力が際立っています。
Ryota Moisture
YouTube50万人、TikTok140万人、Instagram12万人、Facebook3万人という構成が特徴的。特にTikTokでのフォロワー数が突出しており、短尺動画を中心としたコンテンツ戦略に強みを持ちます。
AKIKO
YouTube12.8万人、Facebook26万人、Instagram8万人に加え、TikTokでは170万人という圧倒的なフォロワー数を持つ。TikTok170万人はこのカテゴリの日本人インフルエンサーの中で最大規模であり、若年タイ人ユーザーへのリーチにおいては随一の影響力を持ちます。
Reiko
YouTube10.5万人、Facebook31万人、Instagram8万人のフォロワーを持つ女性インフルエンサー。日本の生活・文化・旅行情報をタイ語で発信し、特にFacebookでの支持層が厚いです。
Maibaru Travel
旅行特化型のコンテンツ運営者で、YouTube30.1万人、Instagram2.5万人。旅行という明確なニッチに絞った発信スタイルが、旅行情報を求めるタイ人ユーザーの支持を集めています。
Yuru
YouTube23万人、TikTok27万人、Facebook3.2万人。動画コンテンツを中心に展開しており、YouTubeとTikTokの両軸で成長を続けているインフルエンサーです。
タイ在住日本人向け・タイ生活情報を発信する日本人インフルエンサー
タイに住む日本人、またはタイに興味を持つ日本語ユーザーに向けて、タイの日常・グルメ・生活情報を日本語で発信するインフルエンサーです。
ぷくこ(BANGKOK GIRLS NOTE / ぷくこチャンネル)
タイ在住日本人インフルエンサーとして最も影響力を持つ存在のひとりです。大阪出身・6歳の子どもを持つママという親しみやすいキャラクターが支持を集め、ブログ「BANGKOK GIRLS NOTE」、YouTube「ぷくこチャンネル」、Instagramを並行運営しています。その影響力の大きさは具体的なエピソードでも証明されており、「このバターが美味しい」とブログやInstagramに投稿しただけでタイのスーパーから当該商品が売り切れになるという事態が発生しています。著書「タイの毎日」はプロンポン駅直結のエムクオーティエ内にある紀伊国屋書店でも取り扱われており、書籍展開まで手がけるタイ在住日本人インフルエンサーは珍しい存在です。整理収納アドバイザーの資格も保有しており、生活情報の信頼性にも裏付けがあります。
Reina in Thailand
YouTube29万人、Facebook7万人、Instagram30万人超という数字を持ち、タイ在住日本人向け情報発信者の中でも特にInstagramのフォロワー数が際立っています。タイの生活・旅行・グルメを中心に発信しており、タイ移住を検討している日本人からの関心も高いです。
Yuru
前述のタイ人向け発信者カテゴリとも重なりますが、日本語での発信も行っており、タイ在住日本人コミュニティでも認知度があります。YouTube23万人、TikTok27万人という数字を持ちます。
プラットフォーム別フォロワー数一覧比較表
| インフルエンサー名 | YouTube | TikTok | ターゲット | 主なジャンル | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 佐野ひろ(Wabisabi TV) | 約89〜90万 | 27万 | 5万 | 7万 | タイ人向け | 日本文化・旅行・日常 |
| Beam Sensei | 約76〜113万 | 約140万 | 8.8万 | — | タイ人向け | 日本語・日本文化・旅行 |
| 井坂友哉 | — | 約10万 | — | — | タイ人向け | タイ語学習・日タイ交流 |
| Kenji Mango | 8万 | 40万 | 3.6万 | 28万 | タイ人向け | 日本旅行・日常・文化 |
| I love Japan(マイ先生) | 28万 | 62万 | 3万 | — | タイ人向け | 日本語教育・文化 |
| kinyuud | 12.2万 | 37万 | 8,300 | — | タイ人向け | 穴場グルメ・日タイ夫婦生活 |
| Ryota Moisture | 50万 | 3万 | 12万 | 140万 | タイ人向け | 日本文化・旅行 |
| AKIKO | 12.8万 | 26万 | 8万 | 170万 | タイ人向け | ライフスタイル・文化 |
| Reiko | 10.5万 | 31万 | 8万 | — | タイ人向け | 日本生活・旅行 |
| Maibaru Travel | 30.1万 | — | 2.5万 | — | タイ人向け | 旅行特化 |
| Yuru | 23万 | 3.2万 | — | 27万 | タイ人・日本人両対応 | 旅行・生活 |
| ぷくこ | 運営中 | — | 運営中 | — | 日本人向け | タイ生活・グルメ・育児 |
| Reina in Thailand | 29万 | 7万 | 30万超 | — | 日本人向け | タイ生活・旅行 |
特に注目すべき日本人インフルエンサー詳細プロフィール
佐野ひろ:タイでの日本人男性人気No.1の理由
YouTube登録者約89〜90万人という数字は、タイ人向けに発信する日本人男性インフルエンサーとしては国内最高水準です。タイ向け日本観光番組「SUGOI JAPAN」への出演経験を持ち、メディア露出とSNS影響力を両立させているのが強みです。タイ語での自然な会話力と、日本の魅力を等身大で伝えるスタイルがタイ人視聴者に刺さっています。Facebookが27万人にとどまっていることからも、YouTubeを主戦場とした戦略が明確です。
Beam Sensei:17年の積み上げが生んだ圧倒的な存在感
累計動画投稿数1,061本、総再生回数4.2億回というデータは、タイ向け日本人インフルエンサーの中で最も豊富なコンテンツ資産を持つことを意味します。YouTube歴17年という経歴はGoogleのアルゴリズム変遷を乗り越えてきたことを示しており、チャンネルの安定性という点でも信頼できる存在です。Facebookフォロワー約140万人はタイ市場での影響力が突出していることを証明しており、後から参入してきた多くの日本人インフルエンサーがBeam Senseiとのコラボを成長のきっかけにしています。井坂友哉のケースがその典型例です。
井坂友哉:「手書き日記」という非常識な戦略が生んだ奇跡
2019年4月に初投稿した「手書きのタイ語日記」が「かわいい・感動的」としてタイ人の間で話題になり、初投稿から数日で5,858シェア・1,881コメントを記録。Beam Senseiがシェアしたことで一気に拡散され、わずか4ヶ月でFacebookフォロワー10万人を達成するという成長スピードは、タイのSNS市場が持つバイラル力を証明しています。渋谷でのフリーハグ投稿が60,000を超えるリツイートを獲得するなど、日本国内でも話題になりました。2020年12月にタイへ渡航し、2021年1月から現地での活動を本格化させており、オンラインでの認知をリアルな活動につなげた事例としても注目されます。この成功の本質は「誰もやっていない独自スタイル」×「タイ人が感情的に反応するコンテンツ」という掛け算にあります。
ぷくこ:商品を売り切れにさせる「信頼の化身」
「このバターが美味しい」という一投稿がスーパーの在庫を枯渇させるほどの購買行動を引き起こすという事実は、エンゲージメントと信頼性がいかに重要かを示す生きた証拠です。著書「タイの毎日」がプロンポン駅エムクオーティエの紀伊国屋書店で販売されていることは、単なるSNS発信者を超えた「タイ生活の専門家」としての地位を確立していることを示します。整理収納アドバイザーという資格も、情報発信に信頼性の根拠を与えています。タイ在住日本人向けのマーケティングを検討する場合、ぷくこはスーパーで商品が売り切れるほどの影響力を持つという実績を持つ唯一の存在です。
kinyuud:「穴場」という差別化で50万人を獲得
有名観光スポットや大手チェーンではなく、地元民が通うローカル飲食店の穴場情報に徹した発信スタイルが、Facebook37万人・YouTube12.2万人という数字を積み上げた理由です。日タイ夫婦という運営体制がコンテンツに「日本人目線」と「タイ人目線」の両方を組み込む強みになっており、単独運営者が出しにくい深みのある情報発信を可能にしています。SNS総フォロワー約50万人という規模は、大手インフルエンサーには及ばないものの、グルメ・生活系のニッチな文脈では強い影響力を持つマイクロからミドルの中間域に位置しています。
タイで日本人インフルエンサーが人気を集める5つの理由
1. タイの親日感情と日本文化への圧倒的な関心
タイは親日国家として知られており、日本のアニメ・グルメ・ファッション・観光への関心は長年にわたって高いレベルで維持されています。タイの小中学校では日本語を第二外国語として選択できる学校が多く、日本語学習者の数はASEAN諸国の中でもトップクラスです。このベースがあるからこそ、日本人が日本について発信するコンテンツには自然な需要が存在しています。
2. 訪日タイ人旅行者の増加と旅行情報ニーズ
コロナ禍以降、タイ人の訪日旅行者数は急速に回復・増加しており、日本への旅行計画を立てるためにSNSで情報を集めるタイ人が急増しています。「日本人が日本を紹介する」という構造は、現地の生の情報として信頼性が高く、ガイドブックやオフィシャルサイトにはない体験的な情報ニーズを満たします。2025年8月にクイーンシリキット・ナショナルコンベンションセンターで開催されたThai Teaw Thai fair第75回(出展ブース数854・来場者499,508人)でも、日本への旅行意欲の高さが実証されました。
3. 日本語学習ブームとインフルエンサーの親和性
Beam Sensei・I love Japan(マイ先生)・Kenji Mangoのような日本語教師出身のインフルエンサーが複数存在するのは偶然ではありません。日本語を学びたいというタイ人の需要と、日本語ができるタイ人に日本情報を届けたいという日本人インフルエンサーの発信ニーズが合致した結果、「日本語教育×日本文化発信」というスタイルが確立されました。I love Japanが日本語教育事業も並行展開しているのもこの流れの延長線にあります。
4. 「等身大」「共感型」コンテンツへのタイ人の親和性
タイ人はコンテンツの「人間らしさ」を重視します。過度にプロダクションされた広告的な動画より、日常の一コマをありのままに見せるコンテンツのほうが高いエンゲージメントを獲得する傾向があります。井坂友哉の手書き日記が爆発的に拡散したのも、「頑張ってタイ語を学んでいる日本人」という等身大の姿が感動を生んだからです。この「共感型コンテンツが刺さる」というタイ市場の特性を理解していないと、どれだけ制作費をかけても反応が取れません。
5. 日タイ国際カップル・ファミリーコンテンツの人気
kinyuudのような日タイ夫婦チャンネルや、ぷくこのような「タイ在住の日本人ママ」というキャラクターが一定の支持を集めているのは、国際的な家族の日常が「共感」「憧れ」「好奇心」を同時に刺激するからです。タイ人にとって「日本人との恋愛・結婚」は人気のコンテンツテーマであり、リアリティのある日タイカップル発信者は他のジャンルとは異なる強いファンベースを形成します。
タイのインフルエンサーマーケティングで成功するためのポイント
フォロワー数だけで選ぶと失敗する
タイのインフルエンサーマーケティングで最も多い失敗パターンが、フォロワー数だけを判断基準にすることです。フォロワー50万人のアカウントでも、エンゲージメント率が0.5%未満であれば実際にコンテンツを見ている人数は2,500人しかいません。一方でフォロワー5万人でもエンゲージメント率が5%であれば2,500人が反応しており、母数の中での質的な影響力は同等です。kinyuudがSNS総フォロワー約50万人でありながら高い実購買影響力を持つのは、エンゲージメント率の質が高いからです。起用前に過去10〜20投稿のいいね数・コメント数・シェア数を必ず確認してください。
タイ人の「熱しやすく冷めやすい」気質への対処法
タイのSNS市場は拡散速度が非常に早い反面、ブームの賞味期限も短い特性があります。単発のプロモーション投稿よりも、3〜6ヶ月の継続的なパートナーシップ契約のほうが効果的です。ブランド認知から購買行動までに複数回の接触が必要なタイ市場では、一度限りの依頼では投資対効果が出にくい構造になっています。
「広告臭」を消すストーリーテリング設計
タイ人ユーザーは広告色の強いコンテンツを見分ける感度が高く、あからさまな宣伝投稿はエンゲージメントが著しく下がります。効果の高い設計は「インフルエンサーが実際に体験するストーリー」の中にブランドを自然に組み込む手法です。「今日このレストランに行った→食べた→美味しかった→詳細はこちら」というナラティブ型の構成が、タイ市場では最もエンゲージメントを得やすいパターンです。
Facebook重視のプラットフォーム選択戦略
タイ向けインフルエンサーマーケティングでは、日本企業が慣れ親しんでいるInstagramではなくFacebookを主戦場にすべきケースが多いです。Beam SenseiのFacebook140万人、I love JapanのFacebook62万人、kinyuudのFacebook37万人という数字は、タイ市場でのFacebookの圧倒的な影響力を示しています。ターゲットが35歳以上のタイ人であれば、特にFacebookへのリソース配分を優先してください。
マイクロインフルエンサーの活用が費用対効果で有利
フォロワー1万〜10万人規模のマイクロインフルエンサーは、超大手インフルエンサーより費用が抑えられる上にエンゲージメント率が高い傾向にあります。特定の地域(バンコク在住者)や特定の関心層(日本語学習者・旅行好き・グルメ系)に絞り込んだターゲティングが必要なキャンペーンでは、大手1人より中規模インフルエンサー5〜10人の並列起用のほうが費用対効果が高くなるケースが多いです。
日本人インフルエンサーをタイ向けマーケティングに活用する方法
活用シーン別の最適なアプローチ
訪日観光プロモーション
地方自治体や観光協会がタイ人旅行者誘致を目的とする場合、Maibaru Travelや佐野ひろのような旅行ジャンルに強いインフルエンサーとのタイアップが効果的です。2025年8月開催のThai Teaw Thai fair(来場者499,508人)のようなイベントと組み合わせた連動プロモーションも有効です。
日本製品PR
食品・コスメ・生活用品の認知獲得にはFacebookの影響力が強いkinyuud・Reiko・AKIKOが候補になります。ぷくこの「紹介→売り切れ」という実績は日本製品のタイ展開において非常に強力なケーススタディです。
飲食店紹介・グルメプロモーション
バンコク在住者向けの日本食レストランや日本スーパーの認知向上には、ぷくこ・kinyuudのようなローカル生活情報発信者が最適です。旅行者向けの大規模インフルエンサーより、在住者コミュニティへのリーチが強いアカウントを選ぶことが重要です。
日本語学習サービスのプロモーション
I love Japan(マイ先生)やBeam Senseiは日本語教育コンテンツとの親和性が高く、日本語学習アプリや教材のPRキャンペーンに適しています。
起用時に必ず確認すべき3つのポイント
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タイ語・日本語の発信比率の確認:ターゲットがタイ人なのか日本人なのかによって、適切なインフルエンサーは全く異なります。言語設定を事前に必ず確認してください。
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過去の炎上履歴の確認:インフルエンサーの過去投稿・コメント欄に問題のある言動がないかをリサーチしてください。ブランドリスクの事前スクリーニングは必須です。
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独占禁止期間と競合他社との契約状況の確認:競合ブランドとすでに長期契約を結んでいるインフルエンサーへの依頼は、契約上の問題や利益相反を生む可能性があります。
費用感の目安
タイのインフルエンサーマーケティングの費用相場は、インフルエンサーの規模・プラットフォーム・コンテンツ形式によって大きく異なります。一般的には、フォロワー数10万人規模のミドルインフルエンサーで1投稿あたり3〜10万バーツ(約12〜40万円)程度、フォロワー50万人超の大手では20〜50万バーツ(約80〜200万円)程度が目安となります。なお、依頼はDM経由での個別交渉が一般的ですが、日本タイ人インフルエンサー協会(Japan-Thai Influencer Association)のような組織を通じると、日タイ間の橋渡し機能を持つ専門家に相談できます。
タイ×インフルエンサーに関する最新トピックと注意点
Jack Papho事件が示すインフルエンサーの社会的責任
タイ人YouTuber・Jack Paphoが日本で裸ダンスを行い撮影・公開した事件は、インフルエンサーの行動が訪問国の感情や外交関係にまで影響を与えることを示した事例として記憶に値します。タイ国内でも大きな批判を受け、スポンサー離れが相次いだこの件は、エンタメとして過激なコンテンツを制作するインフルエンサーが起用リスクを持つことを改めて明確にしました。日本企業がタイ人インフルエンサーを起用する場合も、過去のコンテンツ傾向と炎上リスクの評価は必須です。
TikTok Shopとライブコマースの急成長
2024〜2025年にかけて、TikTok Shopを活用したライブコマース(ライブ配信中に商品を販売する手法)がタイで急速に普及しています。AKIKOのTikTokフォロワー170万人・RyotaのTikTokフォロワー140万人という数字は、この動きを見越したプラットフォーム戦略の結果とも読めます。TikTok上で日本製品のライブコマースを行うキャンペーンは、今後タイ向けインフルエンサーマーケティングの主力手法のひとつになる可能性が高いです。
TikTokが「検索エンジン」化している事実
特に25歳以下のタイ人ユーザーの間では、旅行先の情報収集をGoogleではなくTikTokで行うケースが増えています。「バンコク グルメ おすすめ」「日本 旅行 持ち物」といった検索語をTikTok内で入力するユーザー行動が定着しており、TikTokのフォロワー数と再生数は単なるエンタメ指標ではなく、検索流入を左右するSEO的な意味合いも持ち始めています。この変化はインフルエンサー選定においても「TikTokでの検索最適化コンテンツを制作できるか」という新しい評価軸を生み出しています。
まとめ:目的別おすすめインフルエンサー選定マトリクス
| 目的 | 推奨インフルエンサー | 主な理由 |
|---|---|---|
| タイ人向け訪日観光PR | 佐野ひろ、Maibaru Travel | 旅行特化・高フォロワー・タイ語発信 |
| タイ人向け日本製品認知 | Beam Sensei、I love Japan | 大規模フォロワー・信頼性の高さ |
| タイ人グルメ・レストランPR | kinyuud、Kenji Mango | 穴場グルメ特化・高エンゲージメント |
| 若年タイ人へのリーチ | AKIKO(TikTok170万)、Ryota(TikTok140万) | TikTok圧倒的フォロワー |
| 日本人向けタイ生活情報PR | ぷくこ、Reina in Thailand | タイ在住日本人への強い信頼と実購買影響力 |
| 日本語学習サービスPR | Beam Sensei、I love Japan | 教育コンテンツとの高い親和性 |
| 国際カップル・ファミリー層訴求 | kinyuud | 日タイ夫婦運営という希少な立場 |
今後の展望
2025年以降のタイ×日本人インフルエンサー市場は、①TikTok Shop経由のライブコマース拡大、②マイクロインフルエンサーの多数活用によるターゲティング精緻化、③日タイ国際カップル・ファミリーコンテンツのさらなる成長という3つのトレンドが加速すると見込まれます。タイのインフルエンサーマーケティング市場が2024年の6,878万USD規模からさらに拡大する中で、日本人インフルエンサーはタイ人視聴者にとって「信頼できる日本情報源」としての独自ポジションを強化し続けることが予想されます。
タイでのマーケティングを検討している企業・個人は、フォロワー数という単一指標ではなく、「誰に・何を・どのプラットフォームで届けるか」という戦略的な視点からインフルエンサー選定を行うことが、成功への最短ルートです。

タイで現地採用としてIT企業での営業・WEBマーケティングを数年担当。WEBマーケティングで得た経験や知識を活かしYouTubeを2017年に立ち上げ、翌年2018年にWeb広告代理店事業を設立。SEO対策、動画制作、SNSマーケティングなど幅広くWebマーケティング事業を展開。現在代表を勤める。

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