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【注意喚起】タイでお酒やアルコール飲料をSNSにアップするのは違法|2025年最新の法律・規制を徹底解説

この記事でわかること

  • タイのアルコール飲料規制法第32条により、SNSにビールのロゴやパッケージが写った写真を投稿すると最大50万バーツ(約200万円)の罰金・懲役1年のリスクがある
  • 2020年に一般市民のクラフトビールレビュー投稿が摘発され、懲役6ヶ月(執行猶予)+罰金15万バーツの判決が下された実際の摘発事例
  • 2025年11月8日施行の内務省公示第487号でSNS上の宣伝的投稿への取り締まりが強化された一方、14時〜17時の販売禁止時間が180日間限定で緩和された最新の規制状況
  • 旅行者・在住者・インフルエンサー別に、どのような投稿がOKでどのような投稿がNGかを具体的なシーン別で判断できる実践的な基準
  • タイのアルコール販売時間制限(11時〜14時・17時〜24時)、禁酒日(仏教祝日・選挙日)、年齢制限(20歳以上)など旅行者が知っておくべき購入・飲酒ルールの全体像

2015年に大きな話題となったタイでのアルコール飲料の広告事件。タイの3ビッグブランドの1つBeer Changがステルスマーケティング手法を使い、タイの有名人やインフルエンサーがSNSにビールのロゴが入った画像や動画を投稿したことで社会問題化しました。しかしこの問題は過去の話ではありません。2020年には一般市民のFacebook投稿が摘発され、2025年11月には規制がさらに強化されました。タイでは旅行者であっても例外ではなく、SNSにお酒の写真を投稿するだけで最大50万バーツ(約200万円)の罰金リスクがあるというのが現実です。

タイでSNS運用を行う企業・個人インフルエンサー・旅行者を問わず、この記事を読んで正確なルールを把握してください。


法律の正式名称と制定背景

タイのアルコール規制の根拠となる法律は「仏暦2551年酒類管理法(アルコール飲料規制法)」、英語では”Alcoholic Beverage Control Act B.E. 2551″と呼ばれ、2008年に制定されました。仏教的価値観と公衆衛生の観点からアルコールの広告・販売・消費を幅広く規制することを目的としています。

第32条の内容(日本語参考訳)

同法第32条が、SNS投稿との関係で最も重要な条文です。その内容を要約すると以下のようになります。

  • アルコール飲料の広告・コマーシャルは違法行為
  • アルコール飲料のパッケージやロゴが視認できる画像・映像の公開も違法行為
  • 他者にアルコールを購入・消費させることを直接的または間接的に促す内容も違法行為
  • ただし、ブランドオーナーによる文字情報やブランドロゴ(商品パッケージの写真を除く)の提供は可能とされる

「広告」の定義(第3条)

同法第3条は「広告」を「商業目的で行われるもの」と定義しています。この「商業目的」の線引きが、個人のSNS投稿をどこまで規制するかという議論の核心となっています。

罰則(第43条)

同法第43条に基づく罰則は以下のとおりです。

罰則の種類 รายละเอียด
罰金(上限) 50万バーツ(約200万円)
懲役(上限) 1年
違反継続に対する追加罰金 1日あたり5万バーツ

投稿された時期が過去のものであっても、写真にアルコール飲料が含まれているかぎり当局はいつでも摘発できる仕組みになっています。


2015年:アジアティーク内レストランのメニュー掲載違反

バンコクの有名観光スポットアジアティーク(Asiatique The Riverfront)内にあるレストランが、メニューにアルコール飲料の写真を掲載していたことが問題となり、罰金46万バーツを課せられました。違反期間が220日に及んだため、1日あたり5万バーツの追加罰金が積み重なった結果です。メニューへの掲載という極めて日常的な行為でも、法律の対象になり得ることを示した事例です。

2015年:Beer Changのインフルエンサー騒動

タイの大手ビールブランドBeer Changがステルスマーケティング手法を活用し、有名人やインフルエンサーにビールのロゴ入り画像・動画をSNスに投稿させた事件が大きく話題になりました。これがタイ国内でアルコール飲料のSNS投稿規制への意識が一気に高まるきっかけとなりました。

2020年6月:クラフトビール愛好家・Artid Sivahansaphan氏の摘発

2020年6月、クラフトビール愛好家のArtid Sivahansaphan氏がFacebookにクラフトビールのレビュー投稿をしたことで摘発されました。この事件で注目すべきは、氏が一般市民のビール愛好家であり、インフルエンサーや企業担当者ではなかった点です。最終的な判決は懲役6ヶ月(執行猶予)+罰金15万バーツでした。

この摘発が報道されると、「一般人のSNS投稿も対象になるのか」とタイ国内外で大きな議論が巻き起こりました。

2020年6月12日:保健省疾病管理局の公式見解

騒動を受け、タイ保健省疾病管理局(Department of Disease Control)2020年6月12日に公式見解を発表しました。その内容は「法律が規制するのは商業目的の広告・宣伝行為であり、純粋に個人的な日常投稿は対象外である」というものでした。

ただしこの見解はあくまで行政機関の解釈であり、法律そのものの改正ではありません。「商業目的かどうか」の最終判断は当局や裁判所に委ねられるため、完全に安心できるわけではない点に注意が必要です。


2025年11月8日施行:内務省公示第487号

2025年11月8日に施行された内務省公示第487号により、タイのアルコール規制は包括的に強化されました。主な変更点は以下のとおりです。

規制項目 รายละเอียด
広告・SNS規制の強化 商業目的の広告に加え、SNS上での宣伝的投稿への取り締まり強化が明示された
販売時間制限 販売禁止時間:0時〜11時、14時〜17時(変更なし)
公共の場での飲酒禁止 指定された公共エリアでの飲酒に対する取り締まりが強化
電子的手段による販売禁止 Grab Foodなどのフードデリバリーアプリを通じたアルコール販売が禁止(2020年12月8日施行の告示が継続適用)
特定日の販売禁止(禁酒日) マカブーチャ(万仏節)、アサラハブーチャ(三宝節)等の仏教祝日、および選挙前日・当日

2025年12月2日:販売禁止時間の緩和告示(180日間限定)

一方で、2025年12月2日には酒類販売禁止時間の一部緩和に関する告示が官報に掲載されました。これは観光業への配慮と経済的影響を考慮したものとみられます。

緩和内容:これまで販売禁止だった14時〜17時の時間帯が、180日間限定で販売可能となりました。

ただしこれは恒久的な改正ではなく、期間限定の措置であるため、最新の状況を随時確認することを推奨します。


2020年の疾病管理局見解と2025年時点の法運用を踏まえた、実践的な判断基準をシーン別に整理します。

シーン 判定 理由・補足
旅行中の食事写真にビールが少し映り込んでいる グレーゾーン 疾病管理局の見解では個人投稿は対象外とされるが、絶対安全とは言い切れない
ロゴやパッケージが明確に写ったビール写真を個人アカウントに投稿する リスクあり 第32条の文言上は違反に該当しうる。摘発事例もある
「このビールは最高!みんな飲んでみて!」のような購買促進的な文章を添える NG 他者の購買を促す内容は直接的に第32条違反に該当する
レストランやバーがメニューにアルコール写真を掲載する NG 2015年のアジアティーク事例で実際に46万バーツの罰金が科されている
インフルエンサーが企業から報酬を受けてアルコール投稿を行う NG(厳格) 商業目的が明確なため第32条の核心的な違反に該当する
アルコールのブランド名・ロゴをテキストのみで言及する 条件付きOK 法律上はオーナー(メーカー)による文字・ロゴ情報の提供は可能とされる。ただし商品写真は不可
タイのクラフトビールに関するレビューをブログ・SNSに書く リスクあり Artid氏の事例が示すように、個人のレビューでも摘発リスクがある
空港免税エリア・ホテルバー内でのお酒の写真を投稿する グレーゾーン これらのエリアは販売規制の例外だが、SNS投稿規制は場所に関係なく適用されうる

販売時間の制限

タイではお酒の購入・販売に厳格な時間制限があります。販売可能な時間帯は11時〜14時および17時〜24時です。それ以外の時間帯ではコンビニやスーパーのレジのPOSシステムでアルコールは自動的に弾かれるため、店員が気を利かせて売ってくれることはありません。笑顔でやんわりと断られます。

なお前述のとおり、2025年12月2日の告示により14時〜17時の販売禁止は180日間限定で緩和中です。ただしこれは期間限定の措置であるため注意が必要です。

年齢制限

タイでのアルコール購入は20歳以上のみ許可されています。

禁酒日

以下の日はアルコールの販売が全面的に禁止されます。

禁酒日の種類 代表的な日
仏教祝日(ワンプラ) マカブーチャ(万仏節)、アサラハブーチャ(三宝節)、ウィサーカブーチャ(仏誕節)など
選挙関連 選挙前日および当日

販売が禁止されているのはあくまで「販売」であり、自宅等で事前に購入していたお酒を飲むこと自体は違法ではありません。コロナ禍の第1波の際にもお酒の販売が禁止となり、とある店主が「売るのではなく貸す」という一休さんのようなトンチを利かせた方法で営業を続けたことが話題になりました。

例外エリア(販売時間制限の適用外)

以下のエリアは酒類販売規制の例外として認められています。

  • スワンナプーム国際空港をはじめとする国際線空港内施設の免税店・飲食店
  • ホテル内のバー・レストラン
  • 風俗営業法対象施設

ただし、これらのエリアでもSNS投稿規制は適用されるため、アルコール写真の投稿には変わらず注意が必要です。


旅行者の方へ

タイ旅行中に屋台ビールやカフェでのカクテルを友人にシェアしたくなる気持ちは当然ですが、以下の点に気をつけてください。

  • 食事の写真にビールが映り込む程度であれば現実的なリスクは低いとされますが、ロゴやパッケージを強調したアップ写真はリスクがあります
  • 「このビール最高!」「タイに来たらチャーンビールを飲むべし!」のような購買促進的なキャプションは明確に規制対象となりえます
  • 免税持ち込み上限は1人1リットルです。帰国時のお土産購入時に注意してください

駐在員・在住者の方へ

日本語圏のフォロワーを多く持つ在タイ日系ブロガーや駐在員の方は、個人の発信であっても影響力の大きさによって「商業目的」と判断されるリスクがあります。特にアフィリエイトリンクや企業案件が絡む投稿は慎重に取り扱ってください。

SNS発信者・インフルエンサーの方へ

タイに進出している日系の居酒屋や飲食店のSNS担当者、あるいはタイをベースに活動するインフルエンサーの方は特に注意が必要です。アルコール関連の投稿依頼を受ける際は、商業目的であることが明確なため第32条の核心的な違反に直結します。

「タイなので立て付け上は厳しく見せているが実際は…」という側面があることも事実です。しかし、法律に違反するリスクを認識した上で判断することを強くすすめます。特に外国人が摘発された場合はビザや在留資格にも影響しうるため、日本国内でのリスク認識以上に慎重な姿勢が求められます。


2020年のArtid氏摘発事件以降、タイ国内のFacebook・Pantipといったプラットフォームでは「一般人の投稿まで取り締まるのは行き過ぎだ」という批判的な意見が噴出しました。一方でタイの仏教団体や保守的な世論は「法律の趣旨を守るべきだ」と支持する立場も根強く存在しています。

2025年の規制強化については、観光業界から「外国人旅行者のSNS投稿まで取り締まるのは観光立国としての評判を損なう」という懸念の声が上がっており、2025年12月の14時〜17時の販売時間緩和告示は、こうした観光業界への配慮が反映されたものとみられています。


Q. タイ旅行中にビールの写真をInstagramに投稿したら本当に罰金を取られますか?

A. 個人の日常的な旅行記録の一部として投稿する分には、2020年の保健省疾病管理局の見解によれば対象外とされています。ただし、ロゴが大きく映った宣伝的な構図や「みんなにすすめる」というキャプションは規制に抵触する可能性があります。絶対安全という保証はなく、特に影響力の大きいアカウントはより慎重であるべきです。

Q. 罰金はどのくらいですか?

A. 第43条に基づき最大50万バーツ(約200万円)の罰金と最大懲役1年が定められています。さらに違反状態が継続する場合は1日あたり5万バーツの追加罰金が加算されます。

Q. タイのビールブランドのロゴをSNSに載せるだけでもNGですか?

A. 商品パッケージの写真掲載は違法とされています。一方、テキストでのブランド名やロゴの言及は条件付きで可能とされています。ただし、解釈の余地があるため実務上はグレーゾーンです。

Q. 2025年の法改正で何か変わりましたか?

A. 2025年11月8日施行の内務省公示第487号により規制が全体的に強化されました。一方で12月2日には14時〜17時の販売禁止時間帯が180日間限定で緩和されています。SNS投稿規制の基本的な枠組みは第32条に基づいたまま継続しています。

Q. タイのコンビニでお酒を買えない時間帯はいつですか?

A. 0時〜11時および14時〜17時が販売禁止です。ただし14時〜17時については2025年12月2日の告示により180日間限定で緩和されています。

Q. 禁酒日はいつですか?

A. マカブーチャ(万仏節)、アサラハブーチャ(三宝節)、ウィサーカブーチャ(仏誕節)などの仏教祝日、および選挙前日・当日がアルコール販売全面禁止日となっています。


免責事項:本記事は2025年12月時点の情報に基づいています。タイの法改正や当局の運用方針の変更により内容が変わる可能性があります。具体的なケースについては在タイ日本国大使館や現地の法律専門家にご相談ください。

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